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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
女性の自閉スペクトラム症(以下、ASD)の方の中には、一見すると、会話もスムーズであり、勉強や生活習慣も問題なくこなせているように、周囲には受け取られます。そのため、周囲の方々(特にご家族や身内など)は、「ある程度の年齢になったら、あとは基本的に本人に任せておいても大丈夫だろう」と考えてしまいがちになります。
特に、恋愛や身体のケアといった「性」に関することは、本人任せにする傾向があります。しかし、そのような“明確になっていないこと”こそ、ASDの方が最も理解しづらいテーマなのです。そして「性」の問題に自力で取り組んだ結果、トラブルに巻き込まれたり、性被害などに遭ってしまったりされる方が少なからずいらっしゃられるのも事実なのです。
思春期を過ぎますと、身体的には大人になっていき、周囲もそのように見なしていきます。一方で、女性のASDの方は、その「同一性の強さ」「変化を苦手とされる」特質から、心理的・社会的には中々大人になりきれない(許容しづらい)側面があり、心と身体にギャップが起こり易くなります。
実際にASDの女性が受けやすい被害のパターンとして、仲の良い男友達に「休んでいこう」等と言われ、その意味をよく理解できないままに、関係を持ってしまうという例があります。本人にはそのようなつもりは一向に無いにも関わらず、最終的に強引に関係性を迫られてしまうこともあります。
また、初対面の男性に「遊びにいこう」と言われ、ただの遊びだと思ってついていった結果、トラブルに巻き込まれるパターンもあります。
他には、身体に触れられても、その相手の意図するところが掴めずに、されるままになっていき、性被害に至ってしまうという深刻なケースもあります。
「性」について正しい認識を持っておくことは、大人の女性にとって不可欠です。早めに対策を取らないと取返しのつかないことになる可能性もあります。
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