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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
アンガーマネジメントにご興味や関心がある方の中には、かなりの頻度で「相手の怒りに対して、どのように対処したら良いのか」ということも、気に掛かっている内容のようです。
確かに、感情的に怒りをぶつけられたり、常にイライラと不機嫌そうな方が近くに居たりされると、何かと気になってしまうかもしれません。しかし、だからと言って、他人の怒りをコントロールすることはできません。
アンガーマネジメントは、あくまで「(自分の)怒りの感情と上手く付き合うための心理トレーニング」なのです。相手(他者)の怒りを封じ込めたり、イライラする相手を鎮めたりするようなテクニックを伝えているものではありません。自分の怒りは勿論ですが、「相手の怒りに“振り回されないように”」上手く対処できるようになる為の心理トレーニングなのです。
「何故あの人はあんな怒り方をするのだろうか」とか「何故クレームの電話が掛かってくるのだろうか」といった、自分がコントロールできないものに対して、思考を逡巡させてしまい過ぎると、今度はご自分の方がイライラしてきてしまい、結果ストレスが掛かってきてしまいます。そういった時は、「これは自分にはコントロール出来ない範疇のものだ」と認識しておくことは、とても大切なことだと言えるでしょう。
では、こういった時は、どうすれば良いでしょうか? まずは、相手の感情的な言い方に対し、過剰反応してしまわないことです。ついムッとしてしまい「売り言葉に買い言葉」のように感情的に言い返したり、「何でこんな言い方をされるのだろう…」「自分が何かしてしまったのだろうか…」等と、必要以上に落ち込んだり、溜め込んだりしないことです。
「上司が感情的に叱るのが嫌だ」という悩みを持たれている方も、少なくはありません。そのような場合には、上司の言った内容が、こちらが改善しなくてはならないような正当なものであれば、「何をどのようにすれば良いのか」という事実についてのみ受け取るようにされることが推奨されています。抽象的な言い方や指摘をされた場合は、「何を」「どのようにする」ことを相手が望んでいるのかということを、落ち着いて確認することも重要です。何故なら、そのことがきちんと把握できていないと、再度同じことを繰り返し、相手を怒らせてしまう可能性があるからです。
一方で、例えば「君は使いものにならない」等といった、不当な批判が含まれていた場合はどうでしょう? そのような言われ方をされたら、誰だって傷つき、落ち込んでしまうことでしょう。
そのような場合、「使いものにならない」というのは、あくまでその人の主観に過ぎない、として“聞き流す”という選択肢もあります。しかし、聞き流せない場合は、自分がどのように感じ、どうして欲しいか、ということを伝えるという判断も存在します。例えば、「私が直さなくてはいけない所は、以後しっかりと気を付けます。ただ、『使いものにならない』とまで言われてしまったことは、私としては正直かなり傷つきましたし、ショックでした」というように、どのように自分が感じたかを、落ち着いて伝えるという選択もあります。
但し、この時に気を付けたいことが、「相手に勝つこと(言い負かすこと・謝らせること)を目的としないこと」です。あくまでも、自分が感じたこと、どうして欲しいかを分かってもらうことが目的です。そう考えて、落ち着いて対応・対処されることが、不毛な言い争いと傷つけ合いを避ける上での重要なポイントなのです。
では、もしも「職場に機嫌が悪い人がいた場合」はどうでしょう。この場合は、相手の感情は相手のものであり、せめて自分は影響されないようにしようと考えることと、過剰反応しないことがお勧めです。
情動感染という言葉がある通り、感情は周囲に伝染します。特に「怒り」はエネルギーが強く、他の感情よりも伝染力があると言われています。そのことを踏まえて、まずは誰かの怒りの伝染を受け、自分自身もイライラしないことです。
このような相手と仕事で関わらなくてはならない場合は、「仕事」と割り切って、普段通りの挨拶を交わし、仕事に必要な報告や依頼があれば、簡潔に行ないましょう。声を掛ける必要がない場合は無理に行なおうとする必要はありませんし、相手がイライラし出したら、スッとその場から離れるといった選択もあります。
ただ、ご自身が上司の立場(相手を指導する立場)であった場合、それをさり気なく、部下である本人に伝えるというのも、選択の一つです。その際は、相手を責めるようなニュアンスはNGです。例えば、「○○さん、今日は何だかいつもと様子が違うように見えたから、気になって声を掛けたのだけれども、どうしましたか?」…等というように、伝えてみる方法はあるかと思います。
但し、相手がその声掛けに対して、どのような反応をするのかは、一概には言えません。場合によっては、却って反発心を高めてしまう可能性もあり得るということも踏まえて、そのことも含めて、言うか言わないかの判断をご自身で決められる必要はあるでしょう。
このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、
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