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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ネット(ゲーム)依存と脳のメカニズムの関係についての「第5回」です。今回は「ネット(ゲーム)依存による脳のダメージ」について記載させて頂きます。
ネット(ゲーム)依存になると、脳の構造そのものに変化が起こるという研究報告があります。アルコール依存をはじめとした物質依存症が脳にダメージを与えることは既に知られていますが、インターネットへの依存でも同じようなダメージを脳に与えることが明らかになってきています。ネット・ゲーム依存の方は、そうでない方々に比べて、脳の様々な部位において神経細胞で密度が低下(神経細胞の脱落が発生)していることが分かってきたのです。
神経細胞の密度の低下は、ネット依存が重症であればあるほど、あるいは、ネット依存の期間が長ければなるほど進んでいたそうです。密度の低下した部位が脳の様々な場所(前頭葉前部、小脳の一部、補足運動葉、眼窩前頭皮質、帯状回前部など)であることから、恐らく脳全体で密度の低下が起きているものと考えられています。
また、ネット(ゲーム)依存の方の脳の、大脳皮質下にある「白質」と呼ばれる領域にも、顕著な変化(異常)が観察されることも分かってきました。「白質」は、刺激となる信号を神経細胞から神経細胞へと運んでいく役割を持っています。この部分の神経線維の走行が乱れると、感情処理や注意力、判断力に影響を与えます。ネット(ゲーム)依存の期間が長くなればなるほど、この「白質」にも異常が起こり、脳内の神経伝達に障害が出るということになります。
こうした研究は他にもあり、脳がダメージを受ける度合いは、ネット(ゲーム)依存の方の場合も、アルコール依存の方と同じ位だとそうです。アルコール依存をはじめとする「物質依存」の方の場合、その名称通り「物質」によって直接的に脳がダメージを受けてしまいますが、ネット(ゲーム)依存の方の場合は、「行為」によって間接的に脳がダメージを受けることが分かってきているのです。
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