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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ネット(ゲーム)依存と脳のメカニズムの関係についての「第4回」です。今回は「耐性と報酬欠乏症」について記載させて頂きます。
アルコールやニコチンなどを摂取すると、脳内では「ドーパミン」が盛んに放出されます。ドーパミンは、人間に「満足感」や「快感」等をもたらす物質です。しかし、このドーパミンの放出される頻度が多くなり過ぎると、脳の中では次第にドーパミンに対する“感受性”が低下します。その結果、これまでのような快感を得られなくなってしまいます。
そのため、人はより強い刺激を求めるようになります。具体的には、今まで以上の量のお酒を摂取しやたり、タバコの本数が増えていったりする訳です。これが、依存が進行し、刺激に慣れてしまい、いわゆる「耐性」が出来てしまったと呼ばれる状態です。
刺激に対する「耐性」が出来てしまうと、ネット・ゲーム依存の場合は、ゲームをしていても今までのような興奮が味わいにくくなるために、より長い時間ゲームをされたり、より強い刺激のあるゲームを選んだり…というように、行動が変化していきます。このような状態を「報酬欠乏症」と言います。「報酬欠乏症」の状態にまで至ると、ドーパミンの作用が更に低下し、快感反応が生じにくくなってしまいます。
なぜ、ドーパミンの作用が低下してしまうか、2つのことが考えられています。1つ目は、ドーパミンの分泌量が減少してしまうケースです。2つ目は、分泌されたドーパミンを受け止める受容体の数が減ってしまうケースです。このドーパミン受容体の減少のことを「ダウンレギュレーション」と呼びます。この「ダウンレギュレーション」の発生メカニズムについて明確な回答は未だ得られていません。ただ仮説としては、「過剰な刺激に対して、人間の身体が元々備えている調節機能が働くのではないか」と考えられています。
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