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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
過食症は、身体面のみならず、「心理面」にも多大な影響をもたらします。特に「抑うつ気分」と「不安」との関係性が顕著です。
いったん過食症という病気に罹ると、栄養状態が悪いために、不安になったり気分が落ち込み易くなったりします。過食症の方の中には、物を食べないでいると却って気分が落ち着くと感じる方もいます。そのような方は、気分を良くしようと考え、過食をしていない時に極端な食事制限を試みられることもあります。
「不安な気持ち」を具体的に記述しますと、緊張が強く、物事に対して怖がり、心配している状態と言えるでしょう。不安が続くと、そこから身体の調子も悪くなり、動悸や息切れ、腹痛や下痢、あるいはトイレが近くなったり、手のひらが極端に汗ばんでしまったりといったことも起こります。
「抑うつ気分」とは、ふさぎ込んで、意気消沈して、もの悲しい気分を指します。場合によっては、何週間もそのような気分が続くかもしれません。自分の好きなことや趣味すら面白く感じなくなってしまいます。このように何週間にもわたり、気分が落ち込んで、眠れない、食欲がない、元気がでない、自信がないといったことや、場合によっては「いっそ消えてしまいたい」とすら考えてしまうことがあります。
このように過食症の患者様の多くの方が、何かしらの心理的不調を伴うことは少なくありません。抑うつ気分(抑うつ状態)に留まらず、その状態がさらに深刻化した「うつ病」を合併される方もいらっしゃられます。これは、非常に不規則でかつ不安定な食生活と栄養状態のために気分が落ち込んでいくことが多く、大抵の方は、体重が戻って安定し、普通の食生活を送ることが出来るようになると、気分も和らいでいきます。
「イライラ」もかなりの頻度で起こります、そのイライラが家庭内外の人間関係にも影響してしまい、周囲の方々との仲たがいを生んでしまうことも少なくありません。
「集中力の低下」が伴うこともあります。これも先述の「非常に不規則で不安定な栄養状態」と密接に関係してくる内容でもあります。頭の冴えや切れがなくなり、集中して物事を考えることが難しくなります。考えようとしても、「頭が廻ってくれない」「ボーとしてしましまう」と感じられる方もいらっしゃられます。
「強迫傾向」が見られるようになる方も少なくありません。自分では嫌だと思っていても、何回も繰り返し同じ考えが頭をよぎってしまわれたり、意味のない行動(儀式行動)を繰り返し行ってしまわれたりします。そして、そのような思考や行動をしないと落ち着かず、いつまでも不安感が払拭されなくなってしまいます。
しかし、過食症はきちんと治療をすれば、それだけ早く回復していく病気です。
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