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【心療内科Q/A】「『勇気づけの言葉』『勇気くじきの言葉』を詳しく教えて下さい~アドラー心理学より」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

前回のコラムにおいて、アドラー心理学の「勇気づけ」について、「褒める」との違いを通してご説明をさせて頂きました。その中の最後に記載しました天使の囁き(=勇気づけの言葉)」について、今回はより詳しく書かせて頂きます。

 

 

まず、普段自分が他者に使っている言葉で、確実に勇気づけに繋がるものとして、挨拶の言葉感謝の言葉プラスの言葉、があります。これを相手に伝わるように言葉にすると、不思議なことに、相手だけでなく、自分自身も元気になります

 

 

また、自分が自分に向かって言っている言葉(=「セルフトーク」「内言」)もとても大切です。この「セルフトーク」の内で、自分で自分の勇気づけに繋がる言葉を天使の囁きあるいは祝福の言葉、勇気づけに繋がらず、逆に勇気をくじくになる言葉を悪魔の囁きあるいは「呪いの言葉と呼びます。それぞれの“代表例”を、以下に列挙させて頂きます。

 

 

☆「天使の囁き(祝福の言葉)」☆

 

・「大丈夫、何とかなるさ」

・「のんびりしようよ」

・「もう我慢しなくていいのだよ」

・「ドンマイ、ドンマイ」

・「絶対に乗り越えられる」

・「よくやっているよ」

・「他人と比べなくていいよ」

・「サイコー!」

・「今までだって何とかなった!」

・「順調に行なっているな」

・「ヤッター!できたー!」

・「いざという時は、きっと誰かが協力してくれる」

・「あの人が応援してくれている」

・「自分って天才!」

・「ノリに乗って気持ちいい!」

・「あー爽快!」

・「冷静に対処できて良かった」

・「年齢相応の磨きがかかってきたな」……等々

 

 

★「悪魔の囁き(呪いの言葉)」★

 

・「私ってどうしてこうなのだろう?」

・「うわぁ、最悪だ」

・「消えてしまいたい…」

・「誰も私の話を聞いてくれない…」

・「またやっちゃった!」

・「いつも失敗ばかり…」

・「情けないな、私って!」

・「誰も私のことなんか気にしてくれない」

・「周りは敵ばかり!」

・「みんなに嫌われている」

・「自分ほどダメな人間はいない…」

・「また怠けているの?」

・「自分なんかいない方がいいみたい…」

・「もう年かな?」

・「また感情的になっちゃった」

・「本当に自分はどうしようもない人間だ」……等々

 

 

 

「天使の囁き(祝福の言葉)」は、別名勇気づけの言葉です。自分で自分に何度も言っている内に、自分の肯定的なイメージが広がり、身体面では温かくのびやかで開放的になり、明日への行動の意欲が湧いてきます。「勇気づけ」の際に意識するポイントは、加点主義、ヨイ出し、プロセス重視、人格重視、聴き上手であること、失敗を受容することです。勇気のスイッチを押してあげる気持ちで取り組まれると良いでしょう。

 

 

一方、「悪魔の囁き(呪いの言葉)」は、別名勇気くじきの言葉です。自分で自分に何度も言っていると、自分のイメージを否定的に汚し、身体面では寒く縛られた感じになり、明日への行動の意欲が失われます。「勇気くじき」の言葉は、往々にして、減点主義、ダメ出し、結果主義、人格軽視、聴き下手、失敗を非難する姿勢や気持ちから発せられます。但し、「悪魔の囁き(呪いの言葉)」を最初から敵視するのではなく、一種の「警告」として受け止め、心の中に長居してもらわなければ良いと、考えて頂くのも一案です

 

 

「天使の囁き(祝福の言葉)」は、何かに成功した時、仕事が順調に行っている時、体調が良い時など、自分で口にしている言葉でもあります。そのため、習慣として出てくることもありますが、むしろ意図的に意識して口に出すことをお勧めしますもし「悪魔の囁き(呪いの言葉)」が出てしまっても、後で続けて「天使の囁き(祝福の言葉)」を言えばよいのです。例えば、「またやっちゃった。情けないな、私って…」と思わず言ってしまったとしても、「だけど大丈夫!冷静に対処できる。今までだって何とかなった!いざという時は誰かが協力してくれる」と、「天使の囁き(祝福の言葉)」で締めくくればよいのです。

 

 

このように「天使の囁き(祝福の言葉)」を味方につければ、自分で自分を嫌う方向に行かずに、自分を好きでいられるのです。

 

 

 

当院では、うつ病適応障害をはじめ、

躁うつ病(双極性障害)、不安症、強迫症、

睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、心身症、

パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っておりますカウンセリング(心理療法)をご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。