コラム
News

【心療内科 Q/A】「自律神経失調症の具体的な症状Ⅱ~各器官編」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

前回のコラムでは、自律神経失調症の「全身症状」について書かせて頂きました。視床下部のコントロールの乱れが根底にある「全身症状」に対し、身体の「各器官」に現れる自律神経の不調は、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかないことによって起こります

 

 

症状の出る器官は全身におよび、不調の程度も患者様によって異なります。

 

 

例えば「喉の奥が詰まった感じがして、息苦しい」という症状に悩まされているとしましょう。これは、空気を肺に送る気管支の収縮をコントロールしている自律神経の機能に乱れが生じ、副交感神経だけが断続的に働いているために起こると考えられます。気管支自体に炎症等が出ている訳ではないので、病院で検査をされても「異常なし」と判断されてしまうのです。

 

 

また、自律神経は全身に張り巡らされているため、不調の出る「器官」が、転々と変わることがよくあることも併せて覚えておかれると良いでしょう。

 

 

各器官に現れる症状の具体的な内容を以下に記載させて頂きます。ご参考となりましたら幸いです。

 

 

頭痛・偏頭痛:頭が痛い、頭が重いといった症状で、頭の片方がズキズキ痛む「偏頭痛」も見られます。交感神経の過度な緊張により、血管が収縮し、血行不良を起こすことが原因と考えられています。この血行不良のため、肩こりや首のこりを招くこともあります。

 

 

髪の毛が抜ける:髪の毛が部分的に抜ける「円形脱毛症」の症状が現れたり、髪の毛が細くなったりする場合があります。

 

 

目の疲れ:目の疲れに加えて、物がボーっとかすむ、二重、三重に見える等といったことが起こり得ます。目の渇き(ドライアイ)や涙目の症状が出ることもあります。目に十分な血液が送られていないことが原因です。

 

 

耳鳴り:実際には音がしていないのに音が聞こえるように感じたり、音が聞こえにくかったり等の症状が現れます。中高年の方に多く見られます

 

 

口の中の不快感:口の中が渇く、反対に唾液が過剰に出る、味覚がおかしい、口や舌は痛い等の不快な症状が、心因性のものとして現れることがあります。

 

 

喉の不快感;喉に何か引っかかっているような感じがしたり、物を飲み込もうとされると詰まって上手く飲み込めなかったりといった症状が現れます。比較的女性に多い傾向があります。

 

 

肩こり:交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血液の循環が悪くなると、肩こりが起こります。首筋や背中まで凝ってしまう場合もあります。

 

 

息苦しい:呼吸が速くなり息苦しくなります。ベッドに入って横になった時によく起こります。副交感神経の影響で、気管支の周りの筋肉がけいれんを起こすために生じます。

 

 

動悸・胸部の圧迫感:激しい運動や興奮をした訳でもないのに、心臓がドキドキしたり、胸に圧迫感を覚えたり、血圧が急激に変動したり等といった症状が起こります。交感神経の影響で、脈拍が速くなり、引き起こされます。

 

 

胃腸の不調や便秘・下痢:悪いものを食べていないのに吐き気がしたり、食べた後に胃がムカムカしたりします。副交感神経は胃腸の働きを促し、食べ物の消化を助ける働きをしますが、そのバランスが崩れるとそういった諸症状が起こります。また、便秘、下痢が続いたり、便秘と下痢を交互に繰り返したりすることがあります。これは交感神経の乱れが便秘を、副交感神経の乱れが下痢を招きやすいことに拠ります。

 

 

頻尿・残尿感:水分を摂り過ぎている訳でもないのに頻繁にトイレに行ったり、あるいは、残尿感があったりします。これも副交感神経と交感神経のバランスが崩れるために起こります。

 

 

手足のしびれ:血行不良のよって引き起こされます。正座をしてしびれた時と同じような状態になります。

 

 

手足の冷え・のぼせ:手足の先が、氷のように冷たくなることがあります。また、足は冷えているのに顔や頭がのぼせたりする「冷えのぼせ」の症状が出る方もいます。ホルモンも乱れと関係があると考えられています。

 

 

生殖器官の不調:女性の場合は生理不順が代表的なもので、ストレスがホルモンのバランスを崩すためにおこります。

 

 

皮膚の乾燥・かゆみ:虫刺されや湿疹でもないのに、皮膚がかゆくなってしまいます。自律神経の乱れにより、皮膚が乾燥し、かゆみが起こります。

 

 

 

このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、

気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、自律神経失調症をはじめ、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、

摂食障害、パニック障害、睡眠障害(不眠症)

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、更年期障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。