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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
頭痛の原因は実に様々です。脳の器質的に異常がみられない頭痛として、「熱による頭痛」、「多湿による頭痛」、「陰液不足による頭痛」、そして「寒さや疲労からくる頭痛」が存在します。本日はこの「寒さや疲労からくる頭痛」について記載させて頂きます。
頭痛が無い時でも、頭痛薬をずっと飲み続けている方がいますが、市販されている頭痛薬はあくまでも「頓服」使用(症状が出て必要になった時だけ薬を飲むこと)であり、継続して飲み続ける予防薬ではありません。
加えて、症状や痛みは、身体の中で何かが起きていることを伝えるサインですので、強制的に鎮痛し続けられてしまうと、本来気づくべき根本的な身体の不調を見逃してしまうことになりかねません。頭痛が起こった時、その頭痛の原因が何なのかを知り、取り除いていく上で、きっと漢方(中医学)の考え方は役に立つと思います。
手足にむくみや冷えの症状が目立ち、刺すような痛み、腹痛、下痢などの症状があり、温めると和らぐ場合は、「冷え」が引き起こしている頭痛の可能性があります。身体が冷えると、血管が収縮し、「血」や「水」が滞りやすくなるので、そこに痛みが生じます。夏にかき氷を食べて頭がキーンと痛くなることがありますが、その状態がずっと続いているようなイメージです。
冷えによる頭痛は、ある意味、身体が冷えていること、特に寒さが苦手な「腎(じん)」の不調を知らせるサインとして捉えることも出来ます。「腎(じん)」は、老化(エイジング)とも関係が大きい箇所ですので、そのまま放っておくと、老化スピードの加速すら招きかねません。
このタイプの頭痛への対策としては、まずは身体を温めること。そして「腎」の好む「鹹味(かんみ)」つまり海の幸や、「腎」をいたわる食べ物にシフトすること。そして、気血の巡りを整える性質のある食べ物を選ばれていくことが、改善の近道です。そういった食材として、ニラ、シシトウ、ラッキョウ、クルミ、山椒、鶏肉、エビ、ネギ、青紫蘇、ショウガ、黒糖、パクチー、唐辛子などがお勧めです。
刈り取ってもすぐに新しい葉が茂ってくる「ニラ」は、強い生命力に溢れた野菜です。特に「腎(じん)」の働きを高めて“温めて”、「肝(かん)」の働きを高めて“巡らせる”力が強いので、寒さによる頭痛だけでなく、冷えによる腹痛や肩こりの改善にも役立ちます。
「医食同源」という考え方もありますので、上記のような慢性頭痛にお悩みの患者様は、一度ご自身の食事内容(食材)を振り返ってみられることも、有用かと思われます。それでも中々改善されない際は、当院のような心療内科・精神科において、保険適用内で漢方薬をご処方させて頂くことも可能ですので、ご希望の患者様は医師にその旨ご相談下さい。
当院では、
自律神経失調症(慢性頭痛・偏頭痛等含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害、
睡眠障害(不眠症)、パニック症、強迫症、心身症、
摂食障害(過食症)、ストレス関連障害、統合失調症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
月経前症候群(PMS)、過敏性腸症候群(IBS)、冷え性など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。