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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「適応障害」を考える際、職場の人間関係は無視できない重要な要素となります。今回は「上司と部下との関係性」について記載させて頂きます。
上司が部下にとってのストレス源になり得る要因の一つとして、「上司と部下の意識の差」が挙げられます。つまり、部下が上司に求めるものと、上司が部下に求めるものとの間にギャップがあるのです。
ここでは、部下から見て、どのような上司が好まれるか、あるいは避けられるか。部下がどのような上司を求め、上司がどのような意識で部下に接しているのか探索してみましょう。
とある調査報告を参考にさせて頂きましたところ、
部下が「上司との信頼関係が深まった」と思うエピソードのトップ5は…
「業務外(飲み会・食事会・プライベート会話)」
「上司サポート」
「声掛け・言葉」
「評価(褒める・認める)」
「業務を任される」……となっていました。
逆に、部下が「上司との信頼関係が損なわれた」と思うエピソードのトップ5は…
「自分のミス」
「頭ごなし・納得できない指示命令や叱り方」
「土壇場で修正が入る」
「業務を放置される」
「相談しても助言なし」……となっていました。
また、上司と部下との関係性の良い職場では、悪い職場と比較すると…
「タイミングよく褒める」
「納得できるように注意」
「タイミングよく注意」
「個人的な悩みに気配り」
「雰囲気作りの意識が高い」……といった上司の特徴が見られました。
これらのことから、「飲み会は古い」などと言われますが、上司との信頼関係を結ぶ場としては未だ機能しており、部下は組織の一部ではなく、個人として尊重して欲しいと願っていることが分かります。しかし、そういった部下の願いを上司が理解しているかと言うと、そうとも言えない側面があるようです。
同じ調査報告によると、部下と上司、それぞれの思い描く理想の上司像について見てみると、
部下が理想とするのは…
「仕事のやり方を指導」
「納得できるように注意」
「仕事上の相談に乗る」
「努力した点を褒める」
「社会人・組織人としての指導」
……といった「働きかけてくれる上司」でした。
対して、上司が理想とする上司像は…
「仕事の内容や計画を明確に伝える」
「目標達成・業務改善意欲が高い」
「クレーム対応が早い」
……といった「組織的なリーダーシップを目指す上司」でした。
つまり、求める上司像が、上司と部下で全く異なるのです。このことは、上司自身が上司としての職務を全うしようとすればするほど、部下にはその真意が伝わらず、却って関係が崩れやすくなるという可能性を示唆しています。
人間は誰しも愛されたいという欲求を持っています。表層的な人間関係である職場においては、誰もが心の底に不安を抱えており、そこを埋めてくれる機能を上司に求めます。しかし、上司は職責もあり、組織の維持を優先的に考えてしまいます。この双方のギャップが、時として職場の人間関係のストレスとなってしまうことがあるのです。
当院では、適応障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、自律神経失調症、
睡眠障害(不眠症)、ストレス関連障害、統合失調症、
パニック症、強迫症、不安症、摂食障害(過食症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、
月経前症候群(PMS)、過敏性腸症候群、心身症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
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