A.
医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「カフェインが眠気覚ましになる」理由は、カフェインが人を眠らせる「アデノシン」という神経伝達物質の働きを妨害するからです。
この「アデノシン」は「抑制の働き(=眠気を促す働き)」を持つ神経伝達物質です。そして、強力な覚醒作用(=目を覚まさせる働き)を持つカフェインは、コーヒーやココア豆などの植物由来の物質であり、私たち人間を含む動物の体内では作り出すことができない物質なのです。
職業人は実にコーヒーをよく飲みます。2015年の「欧州食品安全機構(EFSA)」の報告によると、成人1日約400mgまでなら安全とされていますので、「コーヒー5杯程度まで」が許容範囲と考える説があります(これは、飲むカップの大きさにも拠りますので、その点はご注意されて下さい)。
むしろ、適量のコーヒー摂取は身体にも良いとされ、健康な成人の2型糖尿病、肝臓がん、子宮内膜がんのリスクを減らす、という研究報告も出されています。
ただし、カフェインの睡眠への影響については、きちんと知っておくべきでしょう。特に、睡眠障害に悩まされている方や、体質的にカフェインが効きやすい方であれな、尚更です。
血中のカフェイン濃度は、半分になるまで約4時間掛かります。そのため、就寝の1時間前と3時間前にコーヒーを一杯ずつ飲むと、10分ほど寝つくまでの時間が長くなり、30分程度睡眠時間が短くなる、という研究報告がある程です。
特に、ご高齢の方は、睡眠が浅くなる傾向がある上、カフェインを肝臓で代謝する力も落ちてくるため、カフェインの影響をより受けやすくなります。なので、夜遅くにコーヒーが飲みたくなった時には、カフェインが入っていない「デカフェ」が良いでしょう。
年齢に関わらず、夕刻以降のコーヒー、紅茶、緑茶、栄養剤といったカフェイン摂取は控えた方が、睡眠への影響は少なくて済むと思われます。
カフェインは眠気や疲れ、覚醒時間に応じて蓄積する「睡眠圧」に対抗する力を持っています。昼食後や午後の中弛み時に摂取することで眠気を取り、覚醒を促しますので、ぜひ上手に用いられていかれて下さい。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、睡眠障害(不眠症)をはじめ、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、
摂食障害、パニック障害、自律神経失調症、
月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。