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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
以前同コラムにて記載しました「焦り」の感情よりもさらに、私たちが接することが多い感情が「不安」だと言えます。
世の中には様々なタイプの不安があります。雇用不安、先行き不安、就職に関する不安、健康面での不安、結婚に関する不安、争いに発展しそうな不安、更には、確実に迎えることになる「死」に対する不安…などがあることでしょう。では、そもそも「不安」とはどんな感情なのでしょうか。
不安については、次の3つのことがまずは言えることでしょう。不安とは…
① 「未来」に属する時間軸の感情であること。
② 対象が漠然としていて、手立てがしっかり確立していない時に起きる感情であること。
③ 私たちに何かしらの対処を迫る感情であること。
…これらの3つの特徴を持っているということです。
よって、不安の感情を定義するならば、「不安とは、未来(近未来)に直面しなくてはならない課題があるのだが、どちらかと言うとその課題が明瞭ではなく、しっかりとした対処をしなければならないと思いつつ、十分な対処が出来ないでいる感情」と表現することが可能でしょう。
次に、不安には「相手役」があります。この「相手役」には主に2パターンがあり、「他者」を相手役とすることもあれば、「自分自身」を相手役とすることもあります。
人によりましては、この他者を相手役とする不安を「依存的不安」、自分自身を相手役とする不安を「実存的不安」と表現されています。
「依存的不安」とは、子どもが夜、一人でトイレに行くのを怖がるような場面で使われる不安です。自分の弱さ、不確かさを表明しながら、他者をひきつけようとする目的で使われる感情です。より専門的な用語でいうのであれば、「分離不安」の概念に近いとも言えるでしょう。
大人であっても、この依存的不安を使われる方もいます。例えば、配偶者が飛行機で各方面に出かけられるのに対して、「飛行機は危険だから…」といって引き留めたり、また何かしようとする際に、「あなたがいないと私一人では…」と引き止めたりするもの、依存的不安の一種でしょう。
「実存的不安」は、将来を見据えてより良く生きようとすることに伴う不安です。この不安は、自分自身を守り、そのための行動に自分をかき立てることに繋がります。具体的には、健康を維持するために定期的に人間ドッグを受ける、老後に備えて貯蓄を始める、といったようなことが挙げられるでしょう。そういった具体的な行動に移す上での動因となる意味では、一概に不安は「悪いもの」ではないのです。ただ、何事にも「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですので、必要以上に不安を持つようになられてしまうと、今度は気分が落ち込む方向に行ってしまうので注意が必要でしょう。
躁うつ病(双極性障害)、適応障害、強迫症、
睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、心身症、
パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、
月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリング(心理療法)をご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。