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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「家族」は、心の病気の患者様を支える大切な存在です。一方で、身近であるが故、時として無意識(無自覚)の内に、接し方によっては、却って患者様のストレスを増やしてしまうこともあるのです。
とりわけ、表情、口調、態度…など、家族の方の「感情の表し方」が課題とされています。この感情の表し方を「感情表出(Expressed Emotion)」と呼び、英語の頭文字をとって「EE」と呼ばれます。
さらに、その患者様に対して「批判的である」「敵意を持っている」「情緒的に過度に巻き込まれやすい」といった傾向が強いことを、感情表出が高いという意味で「高EE」、あるいは「EE(のレベル)が高い」といい、そうでない場合を「低EE」、あるいは「EE(のレベル)が低い」と言います。
最初の「批判的な感情表出」とは、例えば「何もしないで家でゴロゴロしている」か「甘えて怠けている」「仕事もしないで…」等と、患者様当人に対して文句や不満を言うことです。
2つ目の「敵意のある感情表出」とは、「いっそ、この子さえいなければ…」「なぐって根性を叩き直してやりたい」「この人のせいで私の人生が台無しになった」等、患者様に対して攻撃な態度を取ったり、憎しみを露わにされたりする態度を取ることを指します。
3つ目の「情緒的に巻き込まれている感情表出」とは、「この子は病気なのだから私が常に傍にいてあげないといけない」とか、「この人の気持ちは私にしか分からない」等、過保護・過干渉になってしまうことです。少しのことで泣き崩れたり、冷静さを失ってしまったりというようなことも含まれています。
因みに、「高EE」と呼ばれる上記の3つの感情表出のタイプの内、患者様に最も悪影響を与えてしまうのが2つ目の「敵意ある感情表出」です。これだけで即「高EEの家族」と判定されます。また、家族の中に1人でも「高EE」の方がいれば、「高EEの家族」と見なされます。何故なら、母親は患者様に対して「受容的」であっても、父親は「批判的」ということも有り得るからです。
これら「高EE」の研究は、1970年代のイギリスにおける、統合失調症の患者様の家族研究から始まりました。かつて1960年代のイギリスでは、病院を退院された統合失調症の患者様は、家族のもとで暮らした方が再発しにくいはずだと考えられていました。ところが、実際に調査してみたところ、その概念が覆されてしまい、その理由を明らかにする研究の中で「高EE家族」という概念が生まれたのです。
勿論現在も、統合失調症と「高EE家族」との関連は指摘されています。ただ、近年の日本においては、「高EE家族」がすぐさま統合失調症と結び付けられることよりも、寧ろ、アダルトチルドレン(AC)やヤングケアラーの問題、ストレス関連障害、種々の神経症や心身症とも関連づけられて語られるようになってきたのも、臨床現場における実際であると言えるでしょう。
当院では、
うつ病、躁うつ病、不安症、適応障害、
パニック症、摂食障害(過食症)、睡眠障害(不眠症)、
自律神経失調症、冷え性、強迫症、統合失調症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)
月経前症候群、過敏性腸症候群、ストレス関連障害など
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。