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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
以前同コラムにて、「軽躁時にコントロールが必要なのは何故ですか?」という内容を書かせて頂きました。今回はその「2回目」となります。
「躁うつ病(双極性障害)」において、投薬治療(薬物療法)はかなりマストになってきます。しかし、だからと言って「投薬治療さえ受ければ大丈夫」という訳ではありません。うつ病をはじめとした、その他の疾病同様、あるいはそれ以上に、患者様の自助努力が必要となってくるのです。
それが「軽躁時に意識的にご自身にセーブをかけるようにすること」に他なりません。何故なら、コントロール可能なのは、軽躁エピソード時であり、抑うつエピソード時にはコントロールが不可能になってしまうのが実状だからです。
そして、その軽躁エピソード時にどれだけセーブをされたかによって、次の抑うつエピソード時の程度がかなり変わってきます。大抵の方は、軽躁時にセーブされた時は、次の抑うつエピソードが「いつもより短く済んだ」「そこまで酷く落ち込まなかった」という結果に繋がるのです。
この「躁」と「うつ」は一種の「振り子」のような関係性にあり、「躁」の時に動きすぎたり、まとめて様々な事をやり過ぎてしまうと、その分反動としれ「うつ」の時に落込みが酷くなられたり、長期間に渡ってしまわれたりする、ということを、患者様には知っておいて頂きたいと思います。
個人差はありますが、ご自分が「軽躁時」にあるか否かの分かり易い目安は、「睡眠時間」、「歩数(活動量)」、「金銭支出(支払い金額)」です。大抵の方は、軽躁時は、普段と比べ、睡眠時間は短くなり、歩数(活動量)は増加し、金銭支出(支払い金額)は増加します。一方、「抑うつ時」は、睡眠時間は一気に増え、歩数(活動量)は一気に減り、金銭支出(支払い金額)も激減します。
何故、この3つ(「睡眠時間」「歩数(活動量)」「お金遣い(支払い金額)」)が良い目安になるのかと言いますと、「客観的に数字として捉えることが出来る」からです。大抵の方は常にスマホを携帯されていますので、実はスマホ機能の中に「歩数計」が入っているので、わざわざ歩数計を購入されなくとも、歩数ですら一目瞭然に知ることが出来ます。そして、これら3つの数値をグラフ化されてみられた際、驚くほどお互いが連動していることに気が付かれることでしょう。
ご自身に躁うつ病(双極性障害)の可能性を持たれている方は、一度この3つの数値を振り返られてみられることをお勧めします。また、現在躁うつ病(双極性障害)の治療中である方は、ご自身のセルフモニタリングやセルフコントロールの一環として使用されると良いでしょう。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、躁うつ病(双極性障害)をはじめ、
うつ病、不安症、適応障害、睡眠障害(不眠症)、
月経前不快気分障害(PMDD)、心身症、
パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、
更年期障害、強迫症、アルコール使用障害、
月経前症候群(PMS)、自律神経失調症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。