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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
以前、同コラム内にて「衛気(えき)」という概念について触れさせて頂きました。「衛気(えき)」は、現代で言うと「免疫力」や「バリア力」に近い概念です。中医学(漢方)においては、この「衛気(えき)」が充分であれば花粉の刺激にも耐えられますが、不足すると花粉の影響もすぐに出てしまうと考えます。「衛気(えき)」は、外部からの花粉やほこり、ウィルスから身体を守る力なのです。
今回は、その「衛気(えき)」の増やし方について書いていきたいと思います。衛気を増やす基本戦略は、「たっぷり睡眠を取り、消化の良い食べ物を摂ること」です。軽い有酸素運動も有効でしょう。「衛気」が減ってしまった原因としては、主に「肺気虚(はいききょ)」と「脾気虚(ひききょ)」の場合があるため、それぞれの原因別の具体的対策を、以下に提示させて頂きます。
◆「肺気虚による衛気不足」◆
★症状例:くしゃみ、せき、鼻がムズムズする、目の痒み、息苦しさ
★対策:肺は良い空気を身体中に取り込み、最初のバリアとして身体を守ります。衛気は肺で生まれるので、普段からから深く呼吸をすることを心掛け、肺を潤す食事を摂りましょう。
⇒対策①「人差し指をフー」:横隔膜を動かし、肺の力を高めるトレーニングです。腕を伸ばして人差し指を立て、鼻から息を吸い、人差し指に呼気を感じる強さで口から息を吐き切ります。5回を1セットとして1日3回が目安です。
⇒対策②「八宝菜で肺を潤す」:肺を潤し、衛気を増やすには、白菜、ゆり根、うずらの卵、白きくらげ、ネギがお勧めです。八宝菜はこれらの食材を一度に摂れるお勧めメニューです。その他、バナナ、はちみつ、ヨーグルトもお勧めです。
◆「脾気虚による衛気不足」◆
★症状例:鼻水、鼻づまり、疲れやすい、やる気が出ない、下痢気味、便が柔らかい、食欲がない
★対策;「脾(ひ)」とは胃腸を指します。消化吸収の力が弱まると、身体の回復力が衰え、水分代謝も滞りがちになります。食事量を「腹八分目以下」に抑え、激辛食品や甘い物は控えましょう。
⇒対策①「胃腸をいたわる食材を摂る」:じゃがいも、さつまいも、山芋、かぼちゃ、にんじんが有効です。これらの食材を使った豆乳スープやみそ汁がお勧めです。イチゴも抗酸化作用がありますので、積極的に摂取されると良いでしょう。
⇒対策②「食後に軽く運動する」:食後は血液が腹部に集中し、うっ血した状態になりがちです。軽く身体を動かして、身体の血流を良くしましょう。『食後の300歩が健康のコツ』と江戸時代の書物『養生訓』にも書いてあります。また、青竹踏みをされるのも良いでしょう。
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