A.
医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
抜毛症(hair-pulling disorder)とは、髪の毛を抜く行為を自分で止めることが出来ず、結果として、髪の毛が薄くなってしまったり、時には「ハゲ」が生じてしまったりする症状(疾病)のことを呼びます。
円形脱毛症は、自然と髪の毛が抜けていってしまう「心身症」の一種に含まれますが、この抜毛症は「強迫性障害(強迫スペクトラム)」の一種と考えられています。
しかし、見た目としては、抜毛症の方も円形脱毛症に近似してしまうため、実際に診察を受けてみないと、心身症に拠るものなのか(=円形脱毛症)、強迫性障害に拠るものなのか(=抜毛症)、判別は難しいところがあると言えるでしょう。
抜毛症の治療として、まず医師による心理教育が行われます。慢性的、かつ長期に渡り行われてきた抜毛症(髪の毛を抜く行為)は、半ば「無意識」の内に行われるようになってしまっています。つまり、「気が付いたら髪の毛を抜いていた」という状態になってしまっている、ということです。
よって、医師から行われる心理教育として、ご自分が抜毛していることを、まずは「意識化(=意識出来るようになること)」が最初のステップになってくるでしょう。何故なら、ご自自身が、「どういう時に」「どんな切っ掛けで」「どういった衝動で」「どういった場所で」抜毛をしてしまうのかを明確化していくことが、抜毛する機会や回数を減らしていくという治療を行う上で、役に立ってくるからです。
他にも、「抜毛をしそうになった際の代替行動」を決めておくのも一つの手段です。例えば、両手を強く握りしめる、両手で何か物を持つ…等々というような、一時的に手を髪の毛に向けさせないで済む行動が良いでしょう。そして、それを徐々に習慣化していくことで、抜毛から別の行動パターンに置き換わる、という行動療法的アプローチも役立つことでしょう。
一人で悩まず、自分自身を責めず、どうか私たち専門家を頼って下さい。きっと、解決や改善へのお手伝いが出来るはずです。
このコラムを読まれまして、
ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、様々な強迫性障害(抜毛症含む)をはじめ、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)
うつ病、躁うつ病(双極性障害)適応障害、摂食障害、
パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、
月経前症候群、統合失調症、不安障害、心身症、
過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。