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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
前回、同コラム「『問題同僚』という存在~適応障害を考えるⅠ」において、同僚との軋轢の中で、よくあるパターンとして、「優位に立とうとする」と「分かってくれない」があること。そして、後者の「分かってくれない」という患者様側の心理について触れさせて頂きました。
今回は、“優位に立とうとする”同僚への対応策を記載させて頂きます。
職場において、患者様側には落ち度はないにも関わらず、明確にストレスを掛けてくる同僚がいらっしゃられた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。相手が傷つく言葉を平気で投げ掛けてくる、理不尽に仕事を押しつけてくる、セクハラを仕掛けてくる、といったケースです。
そういった同僚とは、理解し合って良好な関係を築くことのできる可能性は低いでしょう。そこを乗り越えるには多大な時間と労力を要し、多くの場合、徒労に終わります。多忙な日々の仕事の中で、そこまでの努力は到底出来るもではありません。
そもそも、同僚との関係は表層的なものである(参照:「『問題同僚』という存在~適応障害を考えるⅠ」)という前提に立てば、問題同僚に対処する上で最も効果的な方法は「距離を取る」ということです。
ここで言う「距離を取る」とは、客観的に相手を見るということであり、感情的にならないということです。ハラスメントを仕掛けてくる相手に感情で返してしまうと、怒りの応酬になってしまいます。感情のぶつけ合いは、それ自体が目的化してしまい、解決に向かうことはありません。
距離を取る際、大事なのは「解決を志向すること」です。解決は志向しない限り訪れることはなく、漫然としていると悪しき関係が続いてしまいます。
具体的には、自分一人で問題を抱え込まず、上司や人事の方に積極的に相談することです。部署(職場)の問題として共有する形に持っていき、決して、一対一の関係に留まらせてはいけません。場合によっては、理不尽な言動や態度を記録しておき、後で争いになった場合の証拠として残しておきます。産業医とよく相談されて、異動の打診や、一定期間自宅安静とさせてもらうのも良いでしょう。
職場において、ご自分が攻撃の対象にならない為には、事前に自己防衛をすることも大切です。そのためには、過剰な期待を相手にせず、必要以上に踏み込んだ関係を控え、あくまでもビジネス上の人間関係の域を出ないようにします。問題同僚に、分かってもらいたいと思うことも間違いではありませんが、そのために距離を縮めるには多大な労力を要します。
こういった付き合い方は、ご近所付き合いと同じです。必要以上に距離を縮めず、お互いが心地よくその場を共有できるようにして、譲るところは譲り、過剰な自己主張は控えます。最低限の礼節を重んじ、つかず離れず、気を配っていきます。
それでも度を越して同僚がハラスメントを仕掛けてきて、もはや距離を取るだけでは防御しきれなくなった時には、毅然と冷静に戦います。戦う場合も、感情的になってはいけません。ご自分の正当性を主張し、決してブレないようにします。
何故なら、ハラスメントを仕掛けてくる相手は、弱腰でいると、それをいいことに嵩に懸かって攻めてくるからです。周囲を上手に巻き込み、場合によっては法律家にも相談しましょう。自分に非がないと確信を持って言える時には、遠慮は無用の長物です。
当院では、適応障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、自律神経失調症、
睡眠障害(不眠症)、ストレス関連障害、統合失調症、
パニック症、強迫症、不安症、摂食障害(過食症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、
月経前症候群(PMS)、過敏性腸症候群、心身症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。