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【一気読み】アンガーマネジメント総集編

アンガーマネジメント総集編、一気読みです。

『アンガーマネジメント』とは、『怒りのセルフコントロール法』と言われており、大人の発達障害の方が円滑に周囲との対人コミュニケーションを取っていく上でも、非常に役立つスキルの一つです。大人の発達障害の方に限らず、どのような方であってもお使い頂ける対人コミュニケーションスキルでもあり、セルフマネジメントスキルでもあります。

内容が多いですので、気になるところからお読みください。

 

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?①」

 

『アンガーマネジメント』とは、『怒りのセルフコントロール法』と言われており、

大人の発達障害の方が円滑に周囲との対人コミュニケーションを取っていく上でも、

非常に役立つスキルの一つです。

 

もちろん、大人の発達障害の方に限らず、

どのような方であってもお使い頂ける対人コミュニケーションスキルでもあり、

セルフマネジメントスキルでもあります。

 

『アンガーマネジメント』は、

その怒りが「短期的な怒り」であるか「長期的な怒り」であるか、

あるいは「自分自身の怒り」であるか「他者からの(投げかけられた)怒り」であるか、

……等々によって、有効な対処法やスキルに若干の違いがありますが、

今回は「怒り」の持つ性質でもある“大前提”をお伝えしようと思います。

 

日本やその他多くの文化圏において、

「怒り=出してはいけないもの、抱いてはいけないもの」という認識が出来ています。

これは何故かと言いますと、

「怒り→相手への脅威や攻撃性」に発展しやすい傾向があるからです。

逆説的に考えれば、

「怒りを、相手に脅威を与えることなく伝えることが出来れば問題はない」

とも言えるのです。

 

しかし残念なことに、私たちはその方法を習う機会に中々恵まれずに、大人になってしまいました。

 

「怒り」は「第二感情」である、と定義されています。

起きた出来事に対して、すぐさま「怒り」を感じるように思われるかもしれませんが、

どんな人であっても、「怒り」の背後には必ず「第一感情」があるとされています。

その第一感情となり得るものは様々です。

 

悲しみ、不安、心配、嘆き、無念、残念、期待、驚き……等々、

さまざまな感情が「第一感情」となり得ます。

 

例えば、自分が大切にしていたマグカップを、例え相手が悪気がなかったとしても破損してしまったとしたならば、「怒り」がつい出てしまうこともあるでしょう。

けれども、その「怒り」の背後にある「第一感情」は一体何であったのでしょうか?

「残念」「嘆き」「悲しみ」「心配」…等々

どれであったとしても不思議ではありませんが、

その感情(=第一感情)こそが「本質」なのです。

 

「何で割ったの!」と怒りの感情で相手に訴えても、

相手は「(わざとじゃないのに)…すみませんでした」と不承不承謝るか、

逆に「そんな所に置いておく方が悪いんですよ!」と怒りをもって応酬を始めるかが、

大方の反応でしょう。

 

それよりも、気持ちの本質である「第一感情」で相手に伝えた方が、

自分の本当の思いがより相手に伝わります。

 

「ああ、これは私が初めてのお給料で買ったマグカップだったから……残念だな……」

 

であったならば相手は、

 

「自分はいったい何ということをしてしまったのだろう…!」

 

といった心からの謝罪の気持ちが湧いてくるかもしれません。

これが怒りの背後にある「第一感情」を伝える、ということです。

 

この作業が出来るようになるには、

「慣れる(練習する)」ことが何よりの手段であり、一番の近道です。

自分が何事かに「怒り」を感じたとするならば、

その時こそが練習するチャンスなのです。

 

「一体自分は何にこれ程まで怒っているのだろうか。この怒りの第一感情は何なのだろうか…?」

と、ぜひ自問自答してみて下さい。

このことを行うことで、

まずは瞬時・反射的に怒りを相手にぶつけてしまうことが避けられます。

 

そして、自分自身の“本当の気持ち”(=第一感情)に気付くことができ、

相手に自分の気持ちを伝える必要があるのであれば、

その第一感情を穏やかに相手に伝える方が、より自分にとっても本質的であり、

相手にとっても驚異(攻撃)として受け取られずに済みます。

 

「怒りは(自分が)我慢すれば消えてなくなる」というのも実は大きな誤解ですので、

まずは自分の怒りの背後にある第一感情に気づき、

それを相手に伝えることから始めてみられてはいかがでしょうか。

 

この練習を繰り返し実践されていかれることは、

ADHD傾向のある方にとっては「衝動性」のコントロールに繋がり、

自閉スペクトラム症傾向のある方にとっては「自分の感情への気づき」に繋がっていくことも、

非常に大きなメリットだと言えるでしょう。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?②」

 

「アンガーマネジメント」は大人の発達障害でお悩みの方だけでなく、

広く様々な方々や場面において有用な、

セルフマネジメントツールの一つです。

 

今回は、怒りを「短期的な怒り」と「長期的な怒り」とに分類した際に、

前者の「短期的な怒り」に効果的な対処法についてをご紹介いたします。

 

「何であの時、とっさに怒ってしまったのだろう」といったような、

瞬間的に怒りを出してしまったことによる後悔をされたご経験がある方は、

決して少なくはないと思います。

 

その背景や原因には様々なことがあるのですが、ここでの最初のポイントは、

「まず一旦は冷静になる(クールダウンする)」ことだと言えるでしょう。

その方法の代表的なものとして、以下のものが挙げられるでしょう。

 

◎大きく深呼吸をする

◎自分が落ち着く言葉(短めでシンプルなもの)を心の中で繰り返し唱える

◎心の中でゆっくり8つ数を数える(エイトカウント法)

 

「自分が落ち着く言葉」は、端的かつシンプルなものが良いとされています。

例えば、「深呼吸、深呼吸…」「落ち着け、落ち着け…」など、

自分に合った言葉を予め用意されておかれると良いでしょう。

 

「エイトカウント法」とは、声には出さず、自分の心の中で、

「8、7、6、5、4、3、2、1、0」とゆっくり噛みしめるように唱えます。

すると大抵の怒りがかなり鎮まってきているご自分に気づかれることでしょう。

 

この3つ方法はどれも、

ほんの数秒、反応するタイミングに「間」を作るだけで、

ご自分の怒り(興奮)が急速に低下するという現象を踏襲しています。

 

そして、前回のコラムでご紹介しましたように、

「間」を作ることで、冷静になった後、必要であれば、

自分の本当の気持ち(=第一感情)を穏やかに伝えるようにしましょう。

 

非常に興味深い研究として、

ポジティブな声掛け(例:あいさつ、感謝など)をした場合、

その声掛けに対する反応率は50%以下であるのに対し、

ネガティブな声掛け(例:怒り、怒鳴るなど)をした場合、

その声掛けに対する反応率は90%以上という結果が出ているそうです。

つまり、怒りを相手に投げ掛けてしまうと、

非常に高い確率(90%以上)で反応してしまい、

その場合、「怒り」の感情で返されることが殆どであるそうです。

 

「いやいや自分の場合、相手が上司だから、言い返さないで我慢しています」

と反論したくなる方もいらっしゃられることでしょう。

ここで、また不思議な「怒り」の特徴をご紹介しますと、

「怒りは、風呂敷に入れて持ち運びができる」

「怒りは、高いところから低いところに流れる」

という言葉(現象)があります。

 

これは、怒りをその当人に直接向けることが立場的に難しい場合、

自分が怒りを向けても反論しづらい相手(部下、あるいは家族)に、

その怒りの矛先が向けられる……という現象を表現しています。

会社では「穏やかな人物」と評されている方が、

家庭内では「暴力的・攻撃的な人物」に変貌する所以が、

この2つの怒りの特徴にあると言えるでしょう。

「怒り」との正しい付き合い方を知る重要性が感られるエピソードです。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?③」

 

アンガーマネジメントは、近年になって、

社会人に求められる自己管理スキルという色合いを帯びてきていますが、

本来は、あらゆる方に適用することが出来る、

汎用性が高いという特徴を持っています。

もちろん、発達障害(あるいは、その傾向)をお持ちの方々にも、

ぜひ身に付けて頂きたいスキルの一つであると言えるでしょう。

 

1回目は「怒りの本質とは?」「怒りは二次感情である」といった内容。

2回目は「短期的な怒りに対処する方法」といった内容についてを主に扱ってきました。

 

3回目である今回は、

「怒りは『マイルド』な内に気付き、相手に脅威を与えない形で伝える」

という内容で書かせて頂きます。

 

「怒り」の正体とは……実は「違和感」から始まっているのです。

 

例えば、大きな共同作業テーブルで、数人の方が一緒に仕事をされていたとします。

 

ご自分の隣席の方が、席を立つ度に、作業テーブルにぶつけるような形で

椅子を戻す癖がある、と仮定しましょう。

 

最初は「あれ?何か急いでいたのかな?」という程度の認識かもしれません。

しかし、実はここからすでに「違和感(怒り)」の素は始まっています。

これが重なると「もう少し静かに椅子を戻してくれないかな…」と思い始めることでしょう。

そしてやがて、「ああ、何でこの人はこんなに荒立たしいのだろう。嫌だなぁ」という気持ちになり、

さらには、「何だか自分ばかり気遣っている気がしてきた…。イライラする…」となり、

最終的には、「もう我慢できない。いい加減にして欲しい」と相手に怒りをぶつけてしまうような事態も起こり得るでしょう。

 

しかし一方で、その怒りをぶつけられた相手としては、

「急にどうしたのだろう」と心底驚いてしまわれるかもしれません。

 

ここでのポイントは、いくつか列挙してみます。

 

  • 「違和感」を覚えた瞬間から「怒り」は始まっているということ。
  • 「違和感」は、放置したり我慢したりすれば無くなるというものではなく、むしろ積もり重なって、怒りの度合い(強度)が増していってしまうこと。
  • そもそもの「違和感(怒り)」は決定的、かつ致命的なものではないこと。(例:「隣席の人の椅子の戻し方が気になる」)
  • 時に、その怒りの素となった行為・行動は、相手の無意識的・無自覚のものであること(=悪意や悪気があってのことではない)。
  • 怒りが爆発したり、相手にぶつけてしまうような事態になる前に、穏やかに相手に自分が気になることを伝える方が、誤解や摩擦が回避できるだけでなく、本質的な解決にも繋がりやすいこと。
  • あくまでもこの「違和感」は、自分の持つ価値観と照らし合わせてのことなので、相手を責めるような内容ではなく、「自分は……」「私は……」というように「Iメッセージ(アイメッセージ/私メッセージ)」で伝えるとより良いこと(同じ作業テーブルでも、気になっていない方もいるかもしれません)。

 

ですので、もし相手に椅子を穏やかに戻して欲しい、ということを伝えるとするならば……

 

「申し訳ないのですが、私は音が気になる性格なので、離席される際に気遣って頂いてもよろしいでしょうか」

 

という伝え方など良いかもしれません。

 

そのように伝えることが出来たのであれば、

相手は「ああ、こちらこそ全然意識できていなくて申し訳なかったです」と

以後気を付けてくれるようになるかもしれません。

 

発達障害(あるいは、その傾向)をお持ちの方には、

周囲の刺激(五感に関するもの)への過敏性がある方も少なくはありません。

また「規則やルールをしっかりと守られる」という特性から、

「こうあるべき」というご自分の価値感(ルール)があり、

それが周囲の人々に認識されづらい時に、

イライラや怒りへと発展してしまうようなこともあります。

 

そういったことを未然に防ぎ、お互いにとって居心地の良い環境とする為にも

「怒りは『マイルド』な内に、Iメッセージで伝える」ということを、

心の片隅に留めておいて頂けましたら幸いです。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?④」

 

「アンガーマネジメント」のコラムも今回で4回目です。

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」とは、

どんな方にもお使い頂ける、汎用性と実用性の高い、

自己管理スキルであり、コミュニケーションスキルの一つです。

 

特に、大人の発達障害(あるいは、その傾向)の方々とっては、

ADHD(あるいは、その傾向)がある方の場合は、

衝動性に身を任せてしまい、

相手に“怒り”を咄嗟にぶつけてしまうことへの対策として。

 

自閉症スペクトラム(あるいは、その傾向)がある方の場合は、

自分の気持ちや思いに目を向けてくことで、

相手に本当はどのようなことを伝えたかったのかに気づき、

自己洞察や内省、相手とのやり取りの変容に繋げていく対策として、

アンガーマネジメントの有効性が期待できます。

 

本日は、「アンガーログ」についてご紹介していきたいと思います。

 

「アンガーログ(怒りの記録)」の仕組み(メカニズム)は、

日記のように、日々の怒りを記録していくことで、

それまでは「掴みどころがない」と感じられていたかもしれない「怒り」に対する、客観視が可能となります。

加えて、ご自分の怒りの傾向・パターンも発見することが出来るのです。

 

では、実際にどのように「アンガーログ」を付けていけば良いかご説明します。

 

使われる用紙は、ノート、手帳、スケジュール帳、日記調、スマホのメモ機能等、ご自分が使いやすいと思われるもので十分です。

 

日記をつけるような要領で記録をしていきますが、

アンガーログには、以下の内容を記載していきます。

 

①怒った日時

②怒った場所

③きっかけとなった出来事

④具体的な自分の言動

⑤(怒りを向けてしまった相手に)して欲しかったこと

⑥結果

⑦その時の自分の感情

⑧怒りの強さ

 

これら①~⑧を書いていきます。

すると次第にご自分の怒りのパターンが見えてきます。

どのような時間に、どのような場所で、

どのようなことをしている時にイライラしやすい、怒りやすい、

ということが分かってきます。

 

上記の流れ(①~⑧)の書き方の一例として……

 

①怒った日時:5月20日午後

②怒った場所:会社

③きっかけとなった出来事:部下のAさんの企画書が不出来。書式がバラバラで全体に曖昧。予算も度外視していた。

④具体的な自分の言動:「もっとしっかり考えてやり直して!」と言い放つ。

⑤(怒りを向けてしまった相手に)して欲しかったこと:きちんと企画書を仕上げてきて欲しかった。

⑥結果:部下のAさんが逆切れ。

⑦その時の自分の感情:後になってから正しい言動だったのか悩む、罪悪感。

⑧怒りの強さ:中程度の怒り。

 

………というように書きます。

これを書き留めておいて、定期的に見返します。

 

すると自然と、「どうすれば自分は起こらなかったのか」「イライラを減らすにはどうしたら良いか」が、頭に浮かぶようになるのです。

 

加えて、アンガーログに記録された怒りやイライラに対する一つひとつの対策や回避方法を考えていくと、当然ながら、イライラや怒りは減っていきます。

 

やがて暫くすると、書くだけで意識改革が図られイライラや怒りが消えていくようになるから不思議です。

 

これは、「レコーディングダイエット」と同じ仕組みでもあります。

「レコーディングダイエット」では、毎日食べる食物とそのカロリーを記録していくことで、自分の食事内容や間食を自覚し、意識改革・改善に繋げています。

 

アンガーログは、イライラや怒りを未然に防ぐ秘密兵器なのです。

記録し始めて少し経つと、着実にイライラや怒りは減っていきます。

 

では、アンガーログをつけた結果、ご自分のイライラや怒りの原因が分かり、対策や回避方法を考えていかれたケースをご紹介します。

 

Bさんはいつもイライラしていました。そこでアンガーログを付けてみると、仕事を依頼された時にイライラが強まることが分かりました。Bさんは面倒な仕事があると、「すぐにやらなければいけない」と頭では分かっていながらも、先送りにしてしまいます。

それでも忘れてしまうわけではないのです。「やらなくちゃいけない」といつも頭の片隅に引っ掛かっているのです。それが溜まってくると、「あれもやらなくては、これもやらなくては!」と追い込まれ、慢性的にイライラするようになるのです。

そこで、「面倒だな」と感じた仕事を“実行に移す日”を、スケジュールに入れることにしました。仕事を依頼されたら、その場で、「〇〇日の午前中にやる」と手帳に書き込むのです。

不思議なことに、「この件については、この日にやる」と思えるだけで、イライラが取れていってしまったそうです。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑤」

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第5回です。アンガーマネジメントは、発達障害の方に限定してものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです。

 

今回のテーマは「相手の怒りを自分に伝染させないこと」です。

 

もし皆さんの身近な人(友人、家族、恋人、同僚等)が、何に対して怒っている光景を目にされたら、どうされるでしょうか?

 

ここでのポイントは、「相手の怒りは相手のもの」として捉えることです。

 

「そんなに怒らなくてもいいじゃない」とか、「怒るのは良くないよ」…等と言ってしまったとすれば、相手の怒りがさらに増すだけでなく、多くの場合、その言葉を口にした相手に対しても怒りが「飛び火」してしまう結果になることでしょう。

 

そうなると、怒りの矛先を突然向けられてしまった皆さんとしても、つい「何で自分に対して怒るのだ」と思ってしまい、そこから、新たな怒りのバトルが勃発してしまいかねません。

 

これが「相手の怒りが自分に伝染してしまった」状態に他なりません。

 

また、「人の怒りは、同じことに対しては、20分間以上は続かない」と言われています。

 

もし20分間以上怒り続けている人がいたとするならば、一番よくあるケースは、途中でこちら側が何かしら口を挟んだり、意見を言ってしまったりすることで、「新たな怒りの種(燃料)」が投下され続けてしまった結果だとも言えるでしょう。

 

怒っている相手が身近にいらっしゃられた場合は、

 

  1. 20分間はそっとしておく
  2. 相手の怒りは相手のものとして捉える
  3. 相手の怒りを自分に伝染させない

 

まずはこの3点を意識されてみられて下さい。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑥」

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第6回です。アンガーマネジメントは、ADHDを始めとした発達障害の方に限定されたものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです。

 

怒りを感じた時の「とっさの対処(応急処置)」として、以前同コラムにおいて、「8カウント法」「深呼吸」といった方法についてご紹介しました。

 

それに加えて、「ゆっくり水を飲む」という方法も非常に有効です。水を飲むことは、本当に小さな動作ですが、怒りに対する応急処理としての効果は絶大です。氷をなめることでも良いでしょう。

 

私たちは、怒りによって、脳の血流にアンバランスが出てしまうことがあります。ADHDの方の場合は、その傾向が特に顕著です。そういった意味でも、水を飲むことは、脳の血流を改善させる効果も期待できます。

 

水を飲む時は、ゴクゴクと喉を鳴らして飲むよりも、口の中の粘膜からじっくり吸収させるようにゆっくりと飲みましょう。

 

水は火を消すものです。水を飲む時には、心の中で「燃えている怒りの炎の火を消すようなイメージ」をされると良いでしょう。「イメージ療法」による相乗効果が見込めます。

 

このようにされることで、水を飲む間は、怒りから一旦気持ちが離れ、喉も心も潤して、一息つく時間と、心の余裕が生まれてくることでしょう。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑦」

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第7回です。アンガーマネジメントは、ADHDを始めとした発達障害の方に限定されたものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです。

 

怒りを感じられた際、「心を静める言葉(怒りを鎮めるセルフトーク)」を心の中で唱えることは、非常に有効な手段です。但し、とっさに思い浮かべるというのは、かなりハードルが高いため、「予め自分に適した言葉を決めておく」ことが大切です。

 

この「言葉」を選ばれる時のポイントは、以下の3点です。

 

  1. 前向きでポジティブな言葉であること。
  2. 繰り返し唱えられるような、シンプルかつ端的な言葉であること。
  3. 自分にしっくりくる(一番落ち着くもの)であること。

 

このようにして、怒りを鎮める前向きな言葉を決めておき、怒りを感じた時、繰り返し心の中で唱えます。繰り返し唱えることで、気持ちが少しずつ言葉の内容に集中していきます。そうすると不思議なことに、徐々に言葉の内容が心に染み渡っていき、気持ちが怒りから切り替わるのです。

 

「心を鎮める言葉(怒りを静まるセルフトーク)」は、ご自分が一番落ち着くもの、しっくりくるものを選びますが、「具体例」を以下に幾つか挙げておきますので、宜しかったら参考にされてみられて下さい。

 

◎「落ち着いて、落ち着いて……」

◎「大丈夫、大丈夫……」

◎「リラックス、リラックス……」

◎「深呼吸、深呼吸……」

◎「冷静に、冷静に……」

◎「短気は損気、短気は損気……」等々。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑧」

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第8回です。アンガーマネジメントは、ADHDを始めとした発達障害の方に限定されたものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです。

 

今回は、瞬発的な怒り(短期的な怒り)に対してではなく、長い間モヤモヤされてしまわるような「長期的な怒り」への対処法の中から一つ、ご紹介をさせて頂きます。それは「マインドフルネス」を、日常生活に取り入れていく方法です。

 

「マインドフルネス」は瞑想をベースにした心のエクサイズであり、近年では「第三の認知行動療法」とも言われています。怒りや不安に揺れる心を落ち着かせ、ネガティブな感情に飲み込まれるのを防ぐ際にお勧めです。

 

今回ご紹介するのは、マインドフルネスの中の「ボディスキャン」と呼ばれる方法(1~6の順番で行う)です。静かな落ち着ける場所で、30分程度の時間を目安に行っていきます。

 

  1. 背筋を伸ばして椅子に座ります:背筋を伸ばし、肩をまっすぐにして椅子に座り、軽く目を閉じます。背筋以外は力を抜いて、楽にされて下さい。
  2. 全身に息を吹き込みます:そのまま自然な呼吸を続けます。その際、吸った空気が全身を巡って、また口から出ていくようなイメージをされて下さい。
  3. 足先から太ももまで集中をしていきます:まずは左足の先に意識を向けます。指1本ずつが床に触れている感覚、冷たさなど、あらゆる感覚に気付いていきましょう。同様に、指の付け根、足の裏、足首から脛、ひざ、太ももまで、ゆっくりスキャンをするように注意を向けていきましょう。左足が終わったら、右足へ移ります。
  4. 腰から胴体、腕までを意識してきます:腰、胴体、背中の順に集中をしていきます。呼吸に伴う胸の動きや心臓の鼓動にも注意を向け、肺の動きにも気付きましょう。その後、腕から手首、指先に集中していきます。
  5. 首、顔、頭まで集中をしていきます:首、喉、口へと注意を移し、唇や舌を感じます。そして、目、耳、額から頭、髪が皮膚に触れている感覚に気付きましょう。
  6. 全身をくまなく意識します:全身をスキャンするように、全身に空気が出入りしていることを感じ、気持ちが落ち着いている感覚に気付いて、終了します。

 

ボディスキャンをされる時のコツは、「何かを判断しないこと」を続けていくことです。心に湧き出る怒りや不安など感情に気が付いても、今はそれを一旦脇に置き、感情に囚われず、「身体感覚」に注意を戻していきます。ひたすら「今、この瞬間のあるがままの状態」に意識・注意・集中を向けることを行って下さい。

 

このボディスキャンを含めたマインドフルネスは、その人ごとに「合う・合わない」といった“好み”がかなり出やすい側面があります。「試してみたらスッキリした、気持ち良かった」と感じられた方は、ぜひ継続されてみて下さい。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑨」

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第9回です。アンガーマネジメントは、ADHDを始めとした発達障害の方に限定されたものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです。

 

私たちはどういった時に「怒り」を感じるのでしょうか?

 

以前同コラムにおいて、「怒りは第二感情であり、その背後に必ず『第一感情』がある」ということをご紹介させて頂きました。それも「怒り」を感じる一つの要因です。

 

ただ、もっと決定的な要因が実はあります。それは「価値観」という要因です。私たちは、当然ながら、自分自身の「価値観(価値基準)」というものを持っています。これがあるからこそ、人は物事に対して判断や決断をすることが出来るのです。

 

ただ、この「価値観」というものは、余りにも自然に、いつの間にか備わってくるため、その内容を逐一チェックしたり、違和感を持ったりすることは、まずありません。

 

ところが、この「価値観」こそが、他者との衝突や自分の怒りの発端になることが、非常に頻繁にあるのです。加えて、この「価値観」による衝突や怒りは、身近な親しい間柄ほど、起こり易くなります。何故なら、身近な親しい間柄の相手であるほど、「自分と同じ価値観を持っていて欲しい(共有したい)」という思いが生じてしまうからです。

 

「価値観」は誰一人として全く同じ人間はいません。「お互い持っている価値観は人それぞれ違うのだ」ということをしっかりと念頭において、それぞれの持つ価値観を尊重しつつ、お互いに話し合うところはきちんと話し合い、お互いの価値観の許容範囲内で折り合いをつけていく、といったことが必要になってくるのかもしれません。

 

少なくとも、一方の価値観を相手に押し付けることは、自分や相手の怒りの発端に繋がりかねません。もしも、無意識の内に、以下のような言葉を使っている時は、ご自身の価値観を強く押し出してしまっている可能性があるため、注意が必要でしょう。

 

★「べき」:その人の価値観が強く反映される言葉です。自分自身のやり方や方針だけでなく、相手の行動を決めたり判断したりする時にも使われがちです(⇒使用例:「女性はおしとやかであるべき」「子どもは親の言うことを聞くべき」「絶対にミスは避けるべき」…等々)。

 

実は「べき」は自分自身のルールであって、他人のルールではありません。他人を自分のルールで縛ろうとした際、相手が自分の思うような行動を取ってくれないと、自分のルールを守らない相手に怒りを感じてしまいます。

 

★「せっかく~~のに」:わざわざ行ってあげたのだという気持ちから出てしまう言葉のため、自分側では思い遣りのつもりが、相手には独善的に感じられてしまうことがあります(⇒使用例:「せっかく教えてあげたのに、どうしてすぐに活かさないの?」「せっかくあなたのために作ったのに、何で食べないの?」「せっかく来たのに、もっと喜びなさいよ」…等々)。

 

この「せっかく~~のに」のネックは、「喜ぶだろう」と自分が予想して、自分の意志で行動したのであり、必ずしも相手の希望に沿っているとは限らないことです。相手が自分の思っていたほど喜ばなかった時に、自分が手間を掛けた分だけ、がっかりしたり、腹が立ったりしてしまうのです。

 

★「はず」:結果を自分なりに予想していた際、それが大きく外れた時に出る言葉です。自分では「正しい」「合っている」と思っていても、実際には一方的な思い込みや期待、願望であることが往々にしてあります(⇒使用例:「言わなくてもこれくらい分かるはずでしょ」「頑張ったのだから、褒められるはずだ」「きっと慰めてくれるはず」…等々)。

 

残念ながら、物事は必ずしも自分が予想していた通りになるとは限りません。むしろ他者が関与してくる場合は、思い通りにならない方が多いこともあります。頭では「一般論としては、確かにそうだ」ときちんと分かっていても、自分のこととなると中々気が付かないものです。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑩」

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第10回です。アンガーマネジメントは、ADHDを始めとした発達障害の方に限定されたものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです。

 

「怒った方が上手くいく」と思われている方は、案外多いようですが、これは完全に「幻想」だと考えて下さい。本日はそのテーマで書かせて頂きます。

 

よく「怒った方がスッキリする」とか、「相手だって怒っているのだからお互い様」と仰られる方がいらっしゃられますが、これはあくまでも「自分だけの感想」であり、相手が同じとは限らないのです。しばしば、相手もそうだろうと思い込んでいる内に、気づくとその相手との間に、埋まらない溝や大きな距離感が生じてしまっていることは少なくありません。

 

「怒った方が、自分の主張が通りやすい」と言う方もいますが、一時的に主張が通ったとしても、そういったコミュニケーションを続けていると、これも次第に相手が離れていき、人間関係が長続きしません。率直な意見交換と、感情のぶつかり合いは、違うのです。

 

「怒り」は他者を遠ざけます。怒りをぶつけられて喜ぶ人などいません。「触らぬ神に祟りなし」と、出来る限り接点を持たないようにと、周囲は考えます。その結果、怒っている人は、いつの間にか「孤立」してしまうことになるのです。

 

そして、「自分が怒った記憶」というものは案外残りませんが、「自分が怒られた記憶」というものは、かなり尾を引いて残ります。そして、その人の印象形成においても「怒る人」というイメージが長期に渡り残ってしまうのです。

 

加えて、以前同コラムにて、書かせて頂いた内容と重複しますが、困ったことに、「怒りは風呂敷に包んで持ち運びが可能」なのです。これはどういう事かと言いますと、上の立場の人から怒りをぶつけられた場合、その当人に怒りを投げ返すことは、かなりのリスクが伴います。よって、その怒りを返す相手の矛先を、自分より下の立場(部下や子ども等)の人間に向けてしまうのです。「職場では穏やかと定評がある人」が、家に帰ると一変して「暴君」になってしまう背景には、このような怒りの性質(「怒りは風呂敷に包んで持ち運びが可能」「怒りは高い所から低い所へと流れる」)が関係しているケースがかなりあります。

 

「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑪」

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第11回です。アンガーマネジメントは、ADHDを始めとした発達障害の方に限定されたものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです。

 

私たちが無意識の内によく用いてしまっている言葉の中に、「なんで……」というものがあります。この「なんで……」という言葉が、「怒り」と関係してくることがあるのです。

 

まず、この「なんで……」という言葉は、過去を振り返って、失敗の原因を探る時に用いる言葉です。加えて、「なんで……」は「……ない」という言葉と結び付きやすく、「なんでできないのだろう」といったような、自分を責める気持ちや、自分自身への怒りの感情を招いてしまいます。

 

また、この言葉(例:「なんでできないの?」)を用いて相手に尋ねてしまうと、尋ねた側はそのようなつもりはなくとも、問われた相手は、「自分の失敗を責められている」「自分は怒られているのだ」と受け取ってしまうこともあります。

 

もし、ご自身に無意識に「なんで……」という言葉を用いる癖があるようならば、要注意です。実際に口には出していなくとも、内心で唱えてしまう(=「セルフトーク」)のも、自責感情を引き起こし易くなります。

 

口癖はいつの間にか習慣化して身に付いてしまったものですので、意識すれば変えることが出来ます。「なんで……」に代わるものとしてお勧め言葉は、「どうしたら……」です。

 

「どうしたら……」は、次の成功を導くための、前向きで未来志向型の問い掛けになります。加えて、「どうしたら……」に結び付きやすい言葉は、「……できる」になります。「どうしたら……」と自問すれば「……できるかな?」と前向きな言葉が自然に出てきます。

 

「なんで……」を「どうしたら……」に置き換えて、前向きな言葉をぜひ味方につけていって下さい。

 

「自分の『べき』と他人の『べき』は違うということ~アンガーマネジメント①」

 

関東在住の方が関西に旅行に行った際、エスカレーターに乗る時に、困惑することがあります。それは、関東でが、エスカレーターの右側を空けるのに対し、関西では左側を空けるからです。このように、ルールや価値観というものは、人や場所の違いによって、様々に形を変えるものです。中には自分にとって、受け入れ難いものもあるかもしれません。

 

ですが、そのどれもが正解なのです。不正解なんてないのです。人間は一人ひとり違う生き物、考えがそれぞれ違えば、価値観やルールも異なってきます。その全てをご自分の持つ価値観に当てはめようとすると無理が出てきてしまいます。

 

つまり「価値観」とは、極論すると、「~すべき」「~であるべき」という自分の中の考え方やこだわりのようなものです。そして、この「べき」にしがみつき過ぎると、人は怒りっぽくなります。

 

「べき」にしがみつくということは、即ち、自分の「べき」を最優先にしてしまうことに他なりません。周囲の人にも、自分の「べき」を知らず知らずのうちに強要してしまうということです。ですが、それが受け入れられないと、「何で分かってくれないのだ!?」とイライラが募り、遂には、怒りを爆発させ、人間関係を壊してしまうことすら起こりかねません。

 

「べき」という考えや、価値観を持つことはごく自然なことです。前述しました通り、「べき」とはその人の持つ「こだわり」です。「こだわり」は、その人の人格(性格)に深みや味わいを生み出してくれる大切なエッセンスでもあります。ただ、ここで忘れてはならないのが、自分に「べき」があるように、相手にもその人なりの「べき」があるということです。

 

「わたし(自分)」というオンリーワンの人格(性格)を作る「べき」があるのと同じように、「あなた(相手)」というこれまたオンリーワンの人格(性格)を作っている「べき」があるのです。それは時に、相反する「べき」かもしれません。大切なのは、自分の「べき」にしがみつき過ぎないことです。人は人、自分は自分なのです。

 

加えて、気持ちにゆとりを持って他の人のもつ「べき」を客観視してみると、時として面白い発見もあります。「ああ、そういう考え方もあるのか」「自分の『べき』にも例外はあるよね」…等というように感じることは、ご自分の視野や発想を拡げることにも繋がります。海外旅行に行かれて、様々な文化に触れることで、新たな発見があるのと同じです。自分とは違う価値観を知ることは、人生においての成長に繋がります。

 

自分の「べき」にしがみつき過ぎないことは、やたらと怒ってしまうことを無くせるばかりか、自分の心的成長にも繋がるのです。もしも、価値観の相違により、誰かに対して怒りを感じた時、一旦立ち止まって、自分とその相手の「べき」を見比べてみて下さい。もしかすると、あなたにとって、有意義な発見が隠れているかもしれませんよ。

 

「怒りの持つ『4つの性質』を知りましょう~アンガーマネジメント②」

 

「怒り」は中々に取り扱いが難しい感情の一つです。「怒り」について詳しく説明をしていきますと、「怒り」には4つの性質があると言われています。それが、以下の4つです。

 

1.怒りは高いところから低いところに流れる

2.怒りは伝染する

3.怒りは身近な対象ほど強くなる

4.時に怒りは行動を起こすモチベーションにもなる

 

1.「怒りは高いところから低いところに流れる」

 

例えば、上司から部下へ、先輩から後輩へ、お客から店員さんへ、親から子どもへ…等というように、怒りは高いところから低いところへと流れる、言い換えれば、力の強いところから弱いところへと流れるという性質があります。

 

また、流れるだけでなく、それはさらに低いところへと連鎖していくのが特徴です。つまり、上の立場の人からぶつけられた怒りは、そのまま当人に投げ返されるのではなく、自分よりも下の立場の人に向けられるという「負の連鎖」が起きるのです。

 

例えば、上司である部長から怒りをぶつけられた課長は、さらに自分の部下に怒りを流し、親に怒られた子どもは妹や弟、または学校でより立場の弱いクラスメイトに怒りを連鎖させていくということになるのです。

 

2.「怒りは伝染する」

 

家族や同僚など、周囲の身近な人がイライラしているのを見ると、何だか自分まで同じようなイライラした気分になってしまわれたことはありませんか。実はこの現象は、「情動感染」と呼ばれており、喜怒哀楽の感情は周囲に伝染します。

 

イライラして気になるため息をつく人、「チッ!」と舌打ちをする人、パソコンのキーボードを不機嫌そうに音立てて打つ人、ブツブツと愚痴や不満が声に出ている人…等々、知らず知らずの内に、そういった人たちの怒りがあなたに伝わってきているのです。それをまともに受けて、自分までイライラしないように気を付けると共に、自分自身が周囲に怒りを無自覚の内にまき散らしてしまっていないかにも注意されると良いでしょう。

 

3.「怒りは身近な対象ほど強くなる」

 

怒りは身近ない相手ほど強くなります。身近な相手とは、親しい知人、恋人、親友、家族、パートナー、親、子ども、きょうだい、長く一緒に仕事をしている人…等々が含まれるでしょう。このように、長く一緒にいる身近な相手ほど、「言わなくても当然分かってくれているはず」「コントロールできるはず」だといった思い込みが働いてしまうからです。

 

また、このようによく分かっている相手だからこそ、相手への「期待値」も高くなり、甘えも生じやすくなります。そのため、思い通りにいかない場合に、怒りが生じやすく、さらにそれを相手に向けてしまい、怒りの程度も増々強くなってしまうのです。

 

長く一緒にいる人であっても、相手は自分とは別の人間であり、違う考えや価値観(「べき」)を持っています。よって、例えどんなに身近で親しい間柄であっても、「言わなくては分かってもらえない、思い通りにならない存在」なのだと考えましょう。

 

「言わなくてもわかってくれるはず。何度同じことを言わせるのだろう」

「私はして欲しいことくらい(長く一緒にいるのだから)分かるでしょ?」

「このくらいのことは、普通察してくれるはず」

 

……等々、身近な人に対して、このような気持ちになった時には、要注意です。

 

4.「時に怒りは行動を起こすモチベーションにもなる」

 

怒りは強いエネルギーを持っているため、その扱い方によっては、「いつか言い返してやる!」「仕返しをしてやる!」などといった、非建設的(破壊的)なエネルギー源になってしまうこともあります。ですが、アンガーマネジメントを学べば、逆に建設的な方向にそのエネルギーを向けることも可能になります。

 

例えば、他者から馬鹿にされ怒りを覚えたけれども、それをバネに奮起して、「よし!結果を出してやる」「負けないぞ!」と行動されて、そのエネルギーやパワーにより何かしらの成果を出せたという経験はないでしょうか。

 

このように、怒りのエネルギーをうまく使って、建設的な行動へと意識を向けていかれることがお勧めです。

 

「『グラウンディング』って何ですか?~アンガーマネジメント③」

 

「グラウンディング」とは、咄嗟に出そうになった怒りへの対処法の一つです。一言で表現するのであれば、「『今、ここ』に意識を集中させる取り組み」です。

 

怒りのエネルギーは強いため、「あの時、あの人にあんなことを言われた。思い出したらまた腹が立ってきた。いつかまた会った時には、何て言おう!」と、繰り返し何度も、思考が過去や未来に行ったり来たりしてしまう人がいます。所謂、「怒りに飲み込まれてしまっている」状態です。

 

このような時は、目の前にあるものを観察することに集中して、強制的に「現在」に意識を戻します。

 

例えば、その時偶々「ペン」を持っていたとしたら、ペンの色、インクの残量、傷がついていないか、ロゴなど何か書かれていないかなどを、じっと観察することに集中します。ペンでなくても勿論構いません。その時目の前にある“何か”をじっくり観察することで、「今、ここ」に意識を集中させることが出来、余計なことに思考を働かせることがなくなります。

 

この行動によって、相手の怒りに不本意ながら振り回されることもなくなりますので、怒り任せに自分が行動することも防いでくれるのです。

 

この「今、ここ」を大切にし、その瞬間を十全に味わえるようになると、気持ちも穏やかに落ち着いてくるという考え方は、「マインドフルネス」にも通じるものがありそうです。

 

「『怒り』に繋がりやすい質問の仕方とは…?~アンガーマネジメント④」

 

相手の行動や態度について、その意図や理由を知りたい場合、私たちは「(なぜ)そんなことを言ったの?」「(どうして)言うことがきけないの?」というように、一見理由を訊いているようでありながら、相手を責めるような言い方をしていることがあります。

 

こういった時、誤解を招かないようにするためにも、注意が必要です。例えば、「理由(意図、いきさつ)について知りたいので聞かせて下さい」と言えば、相手も答えやすいでしょう。勿論、口調や表情といった非言語的(ノン・バーバルな側面)も、相手を責めるようにならないよう、気を付けることも大切です。

 

私個人は、「どうしたら……できるかな?」という聞き方を比較的好んで使っています。例えば、「なぜ(どうして)、遅刻してしまったのかな?」と上の立場の方から訊かれたとしたならば、その方は「…すみません」と、謝る言葉しか出てこなくなってしまいがちだからです。そういった際、「どうしたら、始業に間に合うことが出来るかな?」と訊いた方が、聞かれた相手は「…そうですね。もう少し~~」というように、「回答」を想像しやすくなるように思われます。

 

ここでのポイントは、「どうしたら…」と尋ねることで、過去の原因追及というニュアンスから、今後の将来的な防止(未来志向)のための対策を聞きたい、という方向に印象が切り替わることです。加えて、「……できる(can)かな?」という尋ね方をすることは、暗に「あなたなら、きっと出来ると信じている」という信頼のメッセージを送ることにも繋がります。このような信頼のメッセージを送られた側としては、無意識の内に「相手の信頼に応えたい」という気持ちやモチベーションを抱きやすくなることでしょう。

 

このように、質問をする際にちょっとした工夫をするだけで、「怒られてしまった」という誤解を防いだり、「謝罪が聞きたいのではなくて、対処策を聞きたいのだけれども…」というイライラを防止したりすることに繋がり、お互いに怒りの伝染を防ぐことが出来ます。この機会に、ご自分の質問のされ方を振り返って見られては如何でしょうか?

 

「感情を上手く伝えられない人の『5つの特徴』とは?~アンガーマネジメント⑤」

 

「怒り」は往々にして、ご自分の感情に気付きにくかったり、気付いていても相手に上手く伝えられなかったりすることによっても起こります。それでは、「自分の感情を上手く伝えられない人」とは、どのような人たちなのでしょうか?ここでは「5つの特徴」として挙げていきたいと思います。

 

1.「怒りを他の『人』や『こと』のせいにしてしはいませんか?」

 

怒りは他の誰でもない、自分自身が生み出した感情です。それに気が付かず、自分がイライラする原因はすべて「人」や「こと」にあると思い込んでいます。例えば、イライラしたり、上手くいかないと感じたりした時、「高圧的な物の言い方をする上司のせい」「子どもが言うことを聞かないせい」「ミスを繰り返す部下のせい」…等といったふうに考えてしまうことはないでしょうか。

 

どんな出来事も、どう受け止めるかは自分次第です。「人」や「こと」のせいにしても怒りは消えません。加えて、「人」や「こと」は少々のことでは変わりませんので、「変わらない」ことに対してもイライラして、元の怒りがさらに大きな怒りに「育つ」可能性すらあるのです。

 

2.「全ての人に好かれようとしてはいませんか?」

 

「こんなこと言ったらどう思われるかな」「相手にどう反応されるかな」「嫌われたくないな」…等々といったふうに、常に目の前の相手や他人からの評価が基準になっていることはないでしょうか。こういった傾向があると、無理に相手に合わせて同調したり、本当に言いたいことを飲み込んでしまったりするため、自分の感情を伝えられません。

 

ですが、いい顔をすることと、良い関係を築くことは異なります。自分がどう感じたのか、相手に何を分かって欲しいのか、まずは「自分」を大切にして下さい。

 

3.「自分の感情を把握できていますか?」

 

自分の気持ち(感情)と正直に向き合わず、すぐに怒りで対応してしまったり、「何だかイライラする」等と曖昧なままで放っておいたりしてしまうと、いつまで経っても自分自身の感情を把握することは出来ません。当然、自分が分かっていないことを相手に伝えることは不可能です。

 

「寂しい」「悲しい」「しんどい」「つらい」「不安」「心配」…等々、自分がどのように感じているかを、意識して掴む習慣を身に付けましょう。

 

4.「日頃怒りを溜め込み、ある日突然爆発させてはいませんか?」

 

自分自身で上手く対処できかったモヤモヤ、イライラ、怒りを、心の中に溜め込んでしまうタイプの方がいます。但し、そのような感情は、抑えたからといって無くなる訳ではありません。その徐々に溜め込んでしまった(飲み込んでしまった)感情が、いつの間にか大きなシコリのようになり、そのご本人の心身にダメージを与えることはあります。

 

また、他のパターンとして、溜め込んだ怒りが、ある時一気に相手に向かう、つまり「爆発してしまう」ことがあります。今までは反論をされてこなかった分、周囲の方々は戸惑われます。その後、ご本人が冷静になられると、深い自己嫌悪に陥られてしまうのもよくあるパターンだと言えるでしょう。

 

5.「言いたいことを何でも言ってしまう傾向はありませんか?」

 

相手がどのように感じるか、思われるかを配慮することなく、感情任せに自分の言いたいことを言い、つい余計なことまで口走ってしまってはいないでしょうか。

 

相手に自分の気持ちを理解してもらうためではなく、不満のはけ口として感情を垂れ流してしまっているので、これでは、相手を不用意に傷つけてしまったり、本当に分かって欲しいことが伝わらないままになってしまったりする恐れが出てきてしまうことでしょう。

 

「人のせいにするのを止めてみましょう~アンガーマネジメント⑥」

 

イライラや怒りは、人と人とのコミュニケーションから発生します。では、コミュニケーションの方法を変えてみましょう。具体的には、「人の責任(人のせい)にするのを止めること」です。

 

問題やトラブルが発生した時に、不平不満を言うだけでは、問題は何も解決しません。同じく、責任を他人に求めるのも同様です。他人に責任を求めても、問題は何も解決しません。

 

何か出来事(問題・トラブル)があった時は、「ちょっと待て。相手が悪いのではなく、自分に出来ることはなかったかな?」と、一旦自問自答するようにされることをお勧めします。

 

自分にとって嫌なことが起きた時、人はつい他人、あるいは周囲の環境…等のせいにしてしまいます。しかし、その出来事をどう受け止め、どう考え、どのような感情を引き起させるかは、全て自分次第なのです。

 

もし日頃から、人の責任(人のせい)にばかりしているようであったならば、一度立ち止まって、人のせいにすることを止めて、「相手のせいばかりではないはず。自分にも改善や対応できることはなかったかな?」という発想・視点を持っていると、それだけで「イライラ」や「怒り」の芽は発芽しにくくなるのです。

 

「『タイムアウト』って何ですか?~アンガーマネジメント⑦」

 

「タイムアウト」とは、咄嗟に出そうになった怒りへの対処法の一つです。一言で表現すると、「その場を一旦離れ、感情をリセットする取り組み」です。その仕組みとやり方を、以下に説明致します。

 

★「タイムアウト」の仕組み★

 

その場にいると、イライラが募ってしまう、あるいは誰かと言い争いになり感情がコントロール出来なくなってしまう、言い争いがエスカレートしてしまう…等と感じられた際、その場を離れることで、感情の流れを一旦リセットし、その場の雰囲気を悪化させないようにします。例として、少しの間、席を離れる、部屋を出る、そとの空気を吸ってくる、といったものが挙げられます。

 

その場を離れている間の「過ごし方」にも注意が必要です。大声を出したり、何かに八つ当たりして発散したりすると、却って怒りの感情が高ぶってしまいます。深呼吸をしたり、軽くストレッチをしたりする等、心が落ち着くような過ごし方をされると良いでしょう。

 

★「タイムアウト」のやり方★

 

その場を離れる時に、相手が近くにいる場合は、「ちょっとトイレに行って、戻ってきますね」と伝える等、必ず戻ってくること伝えてから、その場を離れるようにされると良いでしょう。その他、「ちょっと冷静に考えたいから、10分だけ時間を貰っても良いですか?」と、その場を仕切り直されたり、電話で言い争いになりそうな時は、一旦切って折返し掛け直す提案をされるのも良いでしょう。

 

「“他人の怒り”にはどう対処すれば良いのですか?~アンガーマネジメント⑧」

 

アンガーマネジメントにご興味や関心がある方の中には、かなりの頻度で「相手の怒りに対して、どのように対処したら良いのか」ということも、気に掛かっている内容のようです。

 

確かに、感情的に怒りをぶつけられたり、常にイライラと不機嫌そうな方が近くに居たりされると、何かと気になってしまうかもしれません。しかし、だからと言って、他人の怒りをコントロールすることはできません。

 

アンガーマネジメントは、あくまで「(自分の)怒りの感情と上手く付き合うための心理トレーニング」なのです。相手(他者)の怒りを封じ込めたり、イライラする相手を鎮めたりするようなテクニックを伝えているものではありません。自分の怒りは勿論ですが、「相手の怒りに“振り回されないように”」上手く対処できるようになる為の心理トレーニングなのです。

 

「何故あの人はあんな怒り方をするのだろうか」とか「何故クレームの電話が掛かってくるのだろうか」といった、自分がコントロールできないものに対して、思考を逡巡させてしまい過ぎると、今度はご自分の方がイライラしてきてしまい、結果ストレスが掛かってきてしまいます。そういった時は、「これは自分にはコントロール出来ない範疇のものだ」と認識しておくことは、とても大切なことだと言えるでしょう。

 

では、こういった時は、どうすれば良いでしょうか? まずは、相手の感情的な言い方に対し、過剰反応してしまわないことです。ついムッとしてしまい「売り言葉に買い言葉」のように感情的に言い返したり、「何でこんな言い方をされるのだろう…」「自分が何かしてしまったのだろうか…」等と、必要以上に落ち込んだり、溜め込んだりしないことです。

 

「上司が感情的に叱るのが嫌だ」という悩みを持たれている方も、少なくはありません。そのような場合には、上司の言った内容が、こちらが改善しなくてはならないような正当なものであれば、「何をどのようにすれば良いのか」という事実についてのみ受け取るようにされることが推奨されています。抽象的な言い方や指摘をされた場合は、「何を」「どのようにする」ことを相手が望んでいるのかということを、落ち着いて確認することも重要です。何故なら、そのことがきちんと把握できていないと、再度同じことを繰り返し、相手を怒らせてしまう可能性があるからです。

 

一方で、例えば「君は使いものにならない」等といった、不当な批判が含まれていた場合はどうでしょう? そのような言われ方をされたら、誰だって傷つき、落ち込んでしまうことでしょう。

 

そのような場合、「使いものにならない」というのは、あくまでその人の主観に過ぎない、として“聞き流す”という選択肢もあります。しかし、聞き流せない場合は、自分がどのように感じ、どうして欲しいか、ということを伝えるという判断も存在します。例えば、「私が直さなくてはいけない所は、以後しっかりと気を付けます。ただ、『使いものにならない』とまで言われてしまったことは、私としては正直かなり傷つきましたし、ショックでした」というように、どのように自分が感じたかを、落ち着いて伝えるという選択もあります。

 

但し、この時に気を付けたいことが、「相手に勝つこと(言い負かすこと・謝らせること)を目的としないこと」です。あくまでも、自分が感じたこと、どうして欲しいかを分かってもらうことが目的です。そう考えて、落ち着いて対応・対処されることが、不毛な言い争いと傷つけ合いを避ける上での重要なポイントなのです。

 

では、もしも「職場に機嫌が悪い人がいた場合」はどうでしょう。この場合は、相手の感情は相手のものであり、せめて自分は影響されないようにしようと考えることと、過剰反応しないことがお勧めです。

 

情動感染という言葉がある通り、感情は周囲に伝染します。特に「怒り」はエネルギーが強く、他の感情よりも伝染力があると言われています。そのことを踏まえて、まずは誰かの怒りの伝染を受け、自分自身もイライラしないことです。

 

このような相手と仕事で関わらなくてはならない場合は、「仕事」と割り切って、普段通りの挨拶を交わし、仕事に必要な報告や依頼があれば、簡潔に行ないましょう。声を掛ける必要がない場合は無理に行なおうとする必要はありませんし、相手がイライラし出したら、スッとその場から離れるといった選択もあります。

 

ただ、ご自身が上司の立場(相手を指導する立場)であった場合、それをさり気なく、部下である本人に伝えるというのも、選択の一つです。その際は、相手を責めるようなニュアンスはNGです。例えば、「○○さん、今日は何だかいつもと様子が違うように見えたから、気になって声を掛けたのだけれども、どうしましたか?」…等というように、伝えてみる方法はあるかと思います。

 

但し、相手がその声掛けに対して、どのような反応をするのかは、一概には言えません。場合によっては、却って反発心を高めてしまう可能性もあり得るということも踏まえて、そのことも含めて、言うか言わないかの判断をご自身で決められる必要はあるでしょう。

 

「自分の中の『べき』を検証してみましょう~アンガーマネジメント⑨」

 

皆様の心の中にある願望や理想を象徴する言葉が「べき」です。皆様は、普段の日常の生活の中で「~~であるべき」「~~するべき」という言葉を思い浮かべたり、使ったりされることはありませんか?

 

私たちは、相手に対して「こうあって欲しい」「こうであるべきだ(はずだ)」等といった自分自身の願望や理想が叶わなかった時、そうならなかった時に「怒り」を感じてしまいます。そしてこの「べき」は「譲れない価値観」「信条」と言い換えることもできます。例えば、以下のようなものが一例として挙げられることでしょう。

 

・時間は守るべきである

・挨拶はするべきである

・電車内では化粧をするべきではない

・高齢者には席を譲るべきである

・家に帰ったら手を洗うべきである

・靴はきちんと揃えるべきである

・上司の指示に部下は迅速に対応するべきである

・上司は部下の様子もきちんと把握するべきである

 

……等々、このように見てみますと、人生経験の中で身についた「べき」、育った家庭の躾で形成された「べき」など、多種多様であり、十人十色であることでしょう。即ち、自分自身が長年信じてきたことに対して、相手も「全くその通りである」と思っているとは限らないのです。特に、育った世代や環境が違う相手の場合、相手と自分の「当たり前」が異なることは、珍しいことではないはずです。

 

よって、もしも「普通はこうするものではないか?」「あたり前じゃない?」とイラッとしてしまったとしたら、自分の中にある、どのような「べき」がそう思わせているのか、立ち止まって考えてみることが大切です。

 

さて、ここまで書くと、何やら「べき」が怒りを引き起こす元凶のように感じてしまわれるかもしれませんが、早合点しないで下さい。「べき」自体には、正解・不正解はありませんし、長年信じてこられた自分の「べき」は、自分にとってのある種の真実なのです。但し、同時に、全ての人にとっての真実ではない、ということでもあります。これは、それぞれの「違い」や「個性」として、一旦受け止めましょう。

 

また、一見すると似た「べき」を持っているようでも、人によってその「程度」は違います。

 

例えば、「時間は守るべきである」を例に挙げてみましょう。「10時スタートの会議」と聞いた時、「開始10分前には会場に到着すべきである」と思っている人もいれば、「10時ちょうどに到着すれば良い」と思っている人、「同じ職場の人間が集まるのだから、5分程度の遅刻は許容範囲である」と思われる人…等々、さまざまです。

 

まずは、自分がどのような「べき」を持っており、そしてそれらを「どの程度」望み、信じているのか。それは周囲の人にとっても同じであるか、そうでないかを振り返ってみましょう。職場、家庭、公共の場などを思い浮かべながら、ご自身が持っている「べき」を書き出していくことも、アンガーマネジメントの取り組みの大切なプロセスなのです。

 

加えて、「べき」の中には、どれだけ信じていてもどうしようもない、つまりコントロール不可能な「べき」もあるので、その点は注意が必要です。その代表的な例として、以下のようなものが挙げられるでしょう。

 

・「努力は必ず報われるべきである」

・「失敗するべきではない」

・「皆から好かれるべきである」

・「どんな人とでも仲良くするべきである」……等々。

 

このような「べき」は、信じていても叶わないことが多く、信じているために自分自身が苦しくなっていってしまうことがあるので要注意です。

 

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