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「就寝前3時間の過ごし方」が快眠の鍵…?!

食後3時間は「腸のゴールデンタイム」

食後3時間、とりわけ夕食後の3時間は、副交感神経が活性化し、消化・吸収が盛んになる腸のゴールデンタイムです。この3時間を確保せずに、夕食後すぐに寝ると、上昇した血糖がそのまま脂肪に移行しやすくなります。

 

 

また、副交感神経が十分に活性化できず、交感神経が興奮したままなので、睡眠の質も低下し、翌朝、目覚めた時も、交感神経がスムーズに働いてくれません当然、寝ても疲れがとれず、朝起きても、身体がだるく、頭がぼうっとしています。つまり、これらは、夕食の時間や摂り方を誤って、「腸のゴールデンタイム」が上手く活用出来ていないことが最大の原因なのです。

 

 

食後3時間、十分な「腸のゴールデンタイム」をとらずに食べてすぐに寝ると、自律神経が乱れます。夕食をとっている最中は、「食べる」ということの行為による刺激と楽しさで、交感神経が優位になっています。しかし、食後、食べ物が消化され、腸が動き始めると、今度は副交感神経が優位になってきます。すると、自律神経のバランスは、スムーズに「お休みモード」にシフトして、自律神経は整い、腸はますますよく動き、腸内環境も改善されて、翌朝に疲れが残らない質の良い睡眠をとることができますそんな素晴らしい働きををしてくれるのが、食後3時間=腸のゴールデンタイムなのです。

 

 

 

その3時間をはしょって寝てしまうと、自律神経のバランスが乱れて、睡眠の質は下がり、疲れ易くなり、腸内環境も悪化し、それにより、体力、免疫力の全てが下がってしまいます。質の悪い睡眠=睡眠不足が、どれほど自律神経のバランスを乱し、免疫力を低下させるかは、想像以上です。何故なら、折角食生活に気をつけて自律神経を整えても、睡眠不足になると、それが台無しになってしまうからです時間的にも質的にも、過不足のない睡眠は、自律神経のバランスを整え、免疫力を上げるのに必須事項なのです。

 

 

食後3時間、つまり就寝前の3時間は、一日の中で最高のリラックスタイムとなり得ます。そこをご自身のリラックスタイムとして、上手に活用されて下さい。夜9時までに夕食を済ませ、入浴をしたり、明日の準備をしたり、ストレッチをしたり、音楽を聴いたりとリラックスしつつも、就寝まで心身に有意義な時間として過ごしてみて下さい。

 

 

夜は11時くらいにベッドに入り、12時位には就寝する習慣があると理想です。しかし、それは「睡眠時間」を長くするということが目的ではありません。腸の消化活動は夜、副交感神経の働きが盛んな時に活発になります。夕食後の3時間、副交感神経が活性化し、消化・吸収が盛んになる「腸のゴールデンタイム」です。この食後3時間の「腸のゴールデンタイム」を経て、副交感神経の活性がピークになる、即ち、一番入眠しやすくなるのが夜の12時過ぎとなるからです。

 

 

夕食を9時に終わらせた場合、その3時間後の夜12時過ぎの「腸の活性時間」。この時間帯に副交感神経が活性化し、安眠することができていれば、消化・吸収がきちんと行われます。「腸内環境」が整い、血流もアップし、全身の細胞の新陳代謝も促され、太りにくくなり、免疫力も上がります。さらに、若々しさを保ってくれる成長ホルモンの分泌も促進され、髪や肌も生き生きと健やかになってくれます。これが即ち質の高い睡眠と言えるでしょう。

 

 

因みに、寝る前に「空腹状態」でいるとよく眠れないことも覚えておきましょう。空腹状態では、「オレキシン」というホルモンを分泌する神経細胞の活動が高まります。オレキシンは、覚醒状態を維持するために必要不可欠な脳内物質であるため、オレキシンが分泌されると、人は入眠しづらくなります。このオレキシンの働きを邪魔するように設計された睡眠薬(「オレキシン受容体拮抗薬」)というものも存在する位ですので、「空腹だと眠れない」のは至極当然のことなので、その点は十分留意されて下さい。

就寝前3時間に避けたいもの

上述のように、夕食後の3時間は質の高い睡眠をとるためのゴールデンタイムです。この時間帯は、スマホやパソコンを長く見ることは避けてほしいところです。何故なら、スマホやパソコンのディスプレイの明かりブルーライトは交感神経の働きを活発にします。自律神経や脳に刺激を与えて、深い睡眠に入りにくくさせるので、「身体は疲れているのに眠れない!」という状態になってしまいます。眠れたとしても、「眠りが浅い」「夜中に何度も起きる」という問題に悩まされてしまいます。加えて、自律神経が乱れれば、腸の働きも鈍くなり、免疫力も低下します。

 

 

寝る前にスマホやパソコンを見ない方がよい理由としては、良い睡眠をとるために、目下不必要な情報を寝る前に脳に入れないためでもあります。睡眠中、脳はその日に入ってきた情報に優先順位をつけて整理しています。寝る前にメールやSNSをチェックするというのは、必要以上の情報を脳に与え交感神経を興奮させてしまうことが多いからです。

 

 

特に寝る直前のSNSは要注意です。SNSにより「特別見たいと思わないような余計な情報まで入ってくる」ことで、不快や嫌な気分になると、それ自体が大きなストレスとなり、自律神経が乱れてしまいます。SNSを止める必要はないかもしれませんが、寝る直前には見ないようにされた方が良いでしょう。

このコラムを読まれまして、気になる点がありました方や、

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当院では、睡眠障害(不眠症)自律神経失調症をはじめ、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

不安症、うつ病、躁うつ病、適応障害、パニック症、

摂食障害(過食症)、月経前症候群(PMS)、統合失調症、

過敏性腸症候群、更年期障害、心身症、強迫症など、

皆様の抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

Presented by.医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)

参考引用文献:小林弘幸著自律神経にいいこと超大全』・

Newton別冊睡眠のサイエンス