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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ネット(ゲーム)依存と脳のメカニズムの関係については、大きく3つのアプローチに分けることが出来ます。
1つ目は「衝動性」の問題です。ネット・ゲーム依存の若年層の脳の活動を調査すると、「我慢する」ということに対して脳の前頭前野に強い反応が出ます。
例えば、ゲームが目の前にある時に、それで遊ぶことを禁じられると、ネット依存の若年層の脳に強い反応が現れます。ネット依存ではない若年層が普通に我慢できるものに対して、ネット依存がある場合には、前頭前野が強く反応してブレーキをかけないと我慢できません。しかし、長時間に渡りブレーキをかけ続けることは難しいので、結局はゲームをしたいという衝動に負けてしまうのです。
2つ目は脳の「報酬系」の問題です。私たちの脳は、ある欲求が満たされた時に「快」を感じます。この心地よさを与える神経系のことを「報酬系」と呼びます。ネット・ゲーム依存の若年層に、ゲームを暗示させるようなもの(例えば、ゲームのパッケージやキャラクター等)を見せると、それだけで脳の報酬系と呼ばれる神経回路が強い反応を示すのです。
3つ目は「脳のダメージ」についての研究です。ネットやゲーム依存になればなるほど、インターネットを使い過ぎた若年層の脳は、神経細胞の密度が減少しているという報告があります。そして、ゲーム障害が重症なほど、あるいはその期間が長い程、「脳の密度が下がる」と言われているのです。
これら3つの側面・観点から、次回以降「各論」として挙げさせて頂く予定です。
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