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医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ADHDの方の特性からくる一つの特徴として、「怪我をしたり事故に遭ったりという経験が非常に多い」ということが挙げられます。
実際、ADHDの方に、過去の大きな怪我や事故の経験を伺うと、尋ねた側が驚いてしまう位、沢山のエピソードが次々と語られる、というケースは決して稀なことではありません。
ADHDを含めた発達障害の方全般に見られる特徴の中に、「自分のボディイメージ(身体の部位の位置やその動きを想像すること)が掴みにくい」ということが挙げられます。よって、「この高さなら跨ぐことができる」と思っていたら転倒してしまわれたり、避けたつもりがぶつかってしまったり、時には何もない所で転んでしまわれたり、といったことが起こり易く、常に生傷が絶えない方もいらっしゃられます。
そのために有効なのが、「体幹を鍛えること」や「自分の身体の可動域を知ること」が挙げられるでしょう。体幹トレーニングや可動域を拡げる方法などに関しては、様々な方法が紹介されていますので、そちらを参考にされても良いでしょう。ご自分が「やってみたい」「取り組みやすい」と思われたものを選ばれることも大切ですが、慣れない内は「寝た姿勢や座った姿勢で出来るトレーニング」をお勧めします。その方が安定された体勢で行えるため、トレーニング中の怪我や事故を防ぐことが出来ます。
加えて、ADHDの方の場合は「ワーキングメモリー」の特性もこのことに関係してきます。複数のことを同時に行うという「ながら作業」を苦手とされている方が多いのです。つまり、「歩きスマホ(歩きながらスマホを作動させる)」による事故や怪我へのリスクは、非常に高いと思われておかれた方が良いでしょう。スマホは安全な場所で起動させるようにされて下さい。
また、事故の危険性は、時間に余裕がなく急いでいる、疲れて注意散漫になっている、イライラしている…といった状況下において増々高まってしまいます。急ぐ必要がなくても慌ててしまいがちなのがADHDの方の特性ですので、信号待ちの際は自転車を降りて待つ位の余裕を持たれてみて下さい。特に、自動車を運転される方は、運転中は心を落ち着けることを意識されてみられては如何でしょうか。
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