(更新 2024年7月1日)
A.
医療法人社団ペリカン(心療内科・精神科・内科)です。
インターネット・ゲーム障害では、依存症になるリスクを左右する要因として、「どういうタイプ・ジャンルのゲームで主に遊んでいるか」ということも関わってきます。
これまでの研究によると、オフラインのゲームに比べて、オンラインのゲームの方がより依存性が強いことが分かっています。また、ある研究によると、コンソール型のゲームとオンラインゲームを比べると、不特定多数のプライヤーが参加するオンラインゲームの方が、依存症になるリスクが約2.5倍に上がる、という結果も示されています。オンラインゲームが、既存のコンソール型のゲームにとって代わるほどの勢いで成長拡大したことには、それが持つ強力な依存性を示している、とも言えるでしょう。
そのオンラインゲームのジャンルは多岐にわたりますが。重度の依存に陥る方が多いジャンルとして、代表的なものとして以下のものが挙げられるでしょう。
★「FPS(first person shooter :一人称視点シューティング・ゲーム)」
★「RTS(real-time strategy:リアルタイムストラテジー)」
★「MMORPG(massively multiplayer online role-playing game)」
★「FPS(first person shooter :一人称視点シューティング・ゲーム)」
プレイヤーは戦闘者の視点になり、敵を倒し続けるゲームです。画面には視界に捉えられるものだけが映し出され、背後の状況は見えません。そのため、敵がどこから襲い掛かってくるか分からず、プレイヤーはスリリングな状況に置かれることになります。
★「RTS(real-time strategy:リアルタイムストラテジー)」
このタイプのゲームは、プレイヤー自身が闘うというよりも、プレイヤーが指揮官として、戦場で戦う兵士たちに、戦略や作成に基づいて、指示を与えて戦闘を行うという形式のものです。
★「MMORPG(massively multiplayer online role-playing game)」
RPG(role-playing game)とは、プレイヤーが登場人物のキャラクターとなって、探検したり、モンスターと闘ったりしながらレベルアップするものです。MMORPG(massively multiplayer online role-playing game)とは、オンラインゲーム版のRPGであり、不特定多数の方々が同時に参加することが可能です。今や、オンラインゲームの中の最も主要なジャンルとなっています。ある調査によりますと、オンラインゲームを愛好する方の46%の人が、このタイプのゲームを主にプレイされているそうです。
MMORPGには、ゲームが持ち得るあらゆる要素が盛り込まれていると言っても過言ではないでしょう。
特定のシナリオのもとで、自分のペルソナであるアバター(分身)を介してロール・プレイを行う要素、シューティング・ゲームやファイティング・ゲームのようなスキルや反応速度を競う要素、与えられた条件のもと、戦略を練り、ミッションを遂行するシュミレーション・ゲームやストラテジー・ゲームの要素、キャラクターを育て、レベルアップをし、より高度なチャレンジを乗り越えていく成長物語としての要素、チームのメンバーとコミュニケーションを取りながら、協力して敵を倒したり、協同作戦をおこなったりするソーシャル・ゲームとしての要素……これらが全て採り入れられ、しかも常にアップデートされることで新たな刺激や報酬が与えられ続けられるように工夫されているのです。
メジャーなゲームでは、数週間という短いスパンで、かなり大きなアップデートが施されるのが通常です。よって、同じゲームをプレイし続けていても、従来型のオフラインのゲームソフトのように、飽きが来にくい仕組みになっているのです。
このように「止め時」が掴みづらいゲーム構造であるために、自分自身でいかに自己制御をしていくかが求められます。「ゲームで遊ぶ」のではなく、(自分が)ゲームに遊ばれてしまわないような具体的な対策や心掛けをしておくに越したことはないのです。
このコラムを読まれまして、
ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、ゲーム障害、ネット依存、スマホ依存をはじめ、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、
パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、心身症、
月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、社交不安障害、
過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
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監修 佐々木裕人(精神保健指定医・精神科専門医・内科医)