パニック障害(パニック症)

I.パニック障害(パニック症)の症状

「パニック障害(パニック症)」とは、「パニック発作」が繰り返し出現し、また発作がまた起きるのではないかという「予期不安」が頭から離れない、というものです。

「パニック発作」とは、強い恐怖感・不安感が急激に(数分間で)生じ、しばらくすると(30分~1時間程度で)軽快する、という経過がみられます。よって、数時間同じ状態が継続することは少なく、その場合はパニック発作とは別のものである可能性も考えることとなります。

またパニック障害では、空間恐怖・広場恐怖といった「恐怖症」も伴うこともしばしばみられます。

「パニック障害」は、誰でも起きる可能性の高い病気です。とりわけ若い方がかかりやすく、20代から40代前半に多いと言われています。

なお、パニック障害の方は、最初に一般内科等を受診されると、「自律神経失調症」と言われることもあると思います。

 

II.パニック障害(パニック症)の原因

そもそもなぜパニック障害が起こるのか、その原因はいまだ明確にはされていません。初回の発症として「強いストレスがかかっている状況」が多いことや、「交感神経が意図せずに興奮(昂揚)するために発作が出現する」というメカニズムがあるとされています。

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は主に身体を動かす神経、副交感神経は身体を休ませる神経であり、昼間は交感神経が優位に、夜間は副交感神経が優位になります。

パニック障害では、交感神経が、その働きが必要とされていない時に、勝手に動いてしまう、つまり誤作動を起こしてしまうと考えられています。例えば、100メートル走をしたり、突然怖い物に遭遇したりした際、私たちは誰でもドキドキしたり、心臓の鼓動や呼吸が速くなったりします。それは、そうなる必要性が身体に生じ、交感神経が興奮しているからなのですが、パニック障害の方は、今そうなる必要がないにも関わらず、勝手に交感神経が興奮しているのです。
 

III.パニック障害(パニック症)の治療

パニック障害の一番の悩みとして、「パニック発作(過呼吸)」を挙げられます。パニック発作に対しては、これをコントロールする方法を知ることが大切です。そのためには、「呼吸法」がよいでしょう。他にも、瞑想法やマインドフルネス、リラクゼーション法といったものを併用されることも有用です。

そして、空間恐怖・広場恐怖といった「恐怖症」に対しては、「認知行動療法(CBT)」の有効性が示されています。

上記のような、セルフコントロール法を学習されることが、いざという時に自分で対処できる」という安心感や自信をもたらします。その安心感や自信こそが、「予期不安」に打ち克つ最強の武器になってくれるのです。

ただ、不安の強度が強い場合は、抗不安薬といった投薬治療をご提案することもあります。

パニック障害は早期に治療を開始するほど、回復や予後の良さが知られております。当院では、医師による心理教育・投薬治療だけでなく、ご希望の患者様には、認知行動療法を始めとした心理療法を行うことも可能です。どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。