医師紹介

院長 佐々木 裕人

  1. バックグラウンド/医師として
  2. 想い/not knowing
  3. クリニック創設/ペリカンの意味

バックグラウンド/医師として

私は大学卒業後、心療内科、精神科を専門とすることを決めてから、まずはしっかりとした基礎を身につけるために、関東の総合病院や専門病院に勤務し、専門医をはじめとした資格を取得致しました。

その後、様々な理由で通院ができないまま悩んでおられる方をご支援したいという気持ちから、在宅医療専門の診療所に所属し、往診にてご自宅にうかがい、一人一人に応じた解決策を模索致しました。

また、都内のメンタルクリニックでは、病院への入院が必要なほど重度ではないものの、仕事や家庭で辛い思いをされていたり身体の不調に悩んでおられる方のお手伝いを致しました。

想い/not knowing

私は、以前から精神療法(心理療法、サイコセラピー、いわゆるカウンセリング)に興味があり、いろいろな精神療法の研修を受け、研究会に参加し、患者さんに行い、自ら体験もしてきました。

各々の精神療法に独自の考え方や技法がありましたが、全てに共通していた思想は、「一人一人を理解する」ことでした。

言葉にすると当たり前のように感じますが、「真に自分は人を理解することができているか?」と自らに問うたとき、何の迷いもなく肯定することはできませんでした。

「自分は、実は何もできていなかったのではないか?」と、恐れや失望を抱きました。

そのような中、ある研究会で、「not knowing」を教わりました。

「not knowing」を直訳すると、「知らない、わからない」となります。

つまり、「私たちは相手の何も知らない、わからない。知っているはずがない、わかっているはずがない」ということです。

これは「安易に相手を知った、わかったつもりになるべきではない」という戒めの意味です。

これは全くその通りですが、まだ前半の意味に過ぎません。

その先に、「しかし、だからこそ、私たちは相手を知ろうとする、わかろうとする。」

そして、「その姿勢こそが人が人と向き合うときに最も大切であり、そう人に向き合われたときに人は人に心を開く」というメッセージが込められているのです。

人を理解することは、容易なことではありません。

時間も労力もかかります。

しかし、一歩ずつ、あるいは半歩ずつかもしれませんが、その歩みは止めないでいたい、そう思っています。

クリニック創設/ペリカンの意味

勤務医の時代、上司、先輩や同期の医師、コメディカルたち、そして何より患者さんたちに恵まれ、とても充実していました。

そこで、医師としての一生を過ごすのもよいかもしれないと思いました。

ただ一方で、全く新しい環境で、自分の理想とする医療を追い求めたいという気持ちもありました。

その気持ちは年々膨らみ、どうすればよいかと考えたとき、自らその環境を作るのが最もよいという結論に至りました。

そして、30年の平成が終わり、ちょうど令和になった今年、「新宿ペリカンこころクリニック」を創設致しました。

ペリカンは、西洋では太古から広く慈愛の象徴とされています。

お悩みを持ってお越しになる全ての方々へ、慈愛の気持ちで向き合うクリニックにしたいという想いから、ペリカンを当院のシンボルとしました。