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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
夏の高温多湿による不眠が存在する一方で、冬の夜に寒さによって眠れなくなるタイプの不眠も存在します。
この「寒さによる不眠」を、漢方(中医学)的に考えた際、まず挙げられるのは「眠るためのエネルギー不足」です。起きているだけでなく、眠ることにもエネルギーが必要なので、生命エネルギーを貯めておく臓器である「腎(じん)」が、強い寒さによってパワーダウンしていることが根本の原因です。その「腎」のダメージは、睡眠の安定に大きく関わる臓器である「心(しん)」に及び、さらに不眠が進んでしまうのです。
漢方(中医学)において、「腎」と「心」は「相克(そうこく)」という関係にあり、大きく影響し合っています。「腎」が寒さや疲労などで不調になると、本来は「心」を潤してクールダウンさせる役割を持つ「陰液(身体を潤わせる体内物質)」が不足してしまい、「心」のほてりを冷ますことが出来ずに不眠が生じる…という構図です。このようなケースの場合は、眠れないだけでなく、イライラ、動悸、不安感、耳鳴り、手足のほてり等の症状を伴う場合が多いです。
このような寒すぎる夜の不眠の改善には、まずは「腎」を整えることと、「心」を安定させることが大切です。エビ、ハマグリやアサリ等の貝類、山芋、クルミなどの「腎」を補う食べ物や、小松菜、白ゴマ、卵、牛乳などの「陰液」を補う食べ物を、意識的に選ばれて摂られることをお勧めします。
また「湯たんぽ安眠法」も効果的です。湯たんぽを下腹部あたりに抱えて眠るだけの、実に簡単な方法ですが、効果は抜群です。これを行うことで「腎」を冷やさずに済み、そのことで「心」も鎮まり、比較的すぅっと心地よく眠れるようになります。但し、朝までずっと温かい「電気アンカ」ですと逆効果になりますので、注意が必要です。眠りに入ったら、次第に温度が下がる性質を持つところが、湯たんぽ安眠法の肝だと言えるでしょう。
このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、
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当院では、
うつ病、躁うつ病、不安症、適応障害、心身症、冷え性、
パニック症、月経前症候群(PMS)、摂食障害(過食症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
統合失調症、強迫症、過敏性腸症候群(IBS)など、
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心身両面からの治療とサポートを行っております。
なお、不眠に関する漢方薬(漢方療法)は、当院のような心療内科クリニックにおいて、保険適用で処方することが可能です。ご希望の患者様は、診察時に医師の方にお申し出下さい。
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