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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
以前同コラムにて「冬の寒さによって眠れなくなるタイプの不眠」について記載させて頂きました。今回はその「補足(2回目)」となります。
冬の寒さには、中医学(漢方)の観点では、「腎(じん)」が関わってきます。そして、「腎(じん)」が司る重要な役割は「水」のコントロールであり、その一例が「排尿」です。冬になって寒くなると、途端に排尿の頻度が上がったり、あるいは尿トラブルに見舞われたりする原因がここにあります。
さて、そういった事柄と関連してくるお悩みが「冬になると夜中にトイレに起きてしまい、その後で眠れなくなってしまって困っています」というものです。寝る前にちゃんとトイレに行かれたにも関わらず、夜中にまた行きたくなってしまい、その都度目が覚めてしまうのです。冬場にこのような経験をされことがある方はきっと少なくはないことでしょう。
成人の正常な排尿回数は、日中で5~7回、就寝後は0~1回程度とされていますので、就寝後に3~4回トイレに起きてしまうようであれば、「頻尿」を疑ってみられても良いと思われます。残尿感がある場合も多いようです。特に、寒い冬は頻度も増えてしまい、ぐっすり眠りたいのに途中で起きなければならず、それが睡眠不足に繋がっていかれるケースもあります。
繰り返しになりますが、中医学(漢方)的に捉えるならば、その症状(状態)の根本的な要因は、水分代謝に関わる臓器である「腎(じん)」の機能低下にあるとしてします、加齢(エイジング)だけが原因とは限らず、冷えや疲労、塩分の取り過ぎ等によって、「腎」が疲弊することによっても生じます。
その為には、「腎」を整えていくことが肝要です。「腎」を整えてくれる食材である山芋やニラ、クルミ、栗、エビ等の食べ物を積極的に摂るようにされると共に、日中には、余分な水分の排出を助ける性質がある煎り黒豆やハト麦を温かいお茶(黒豆茶、ハト麦茶)として飲まれ、寝る前にはしっかりトイレに行かれてから就寝されると良いでしょう。
また、漢方薬としては、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」「六味丸(ろくみがん)」「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」…等々といったものがよく使われています。この時期になると、市販の薬局でもよく目にされるようになりますが、自己判断で市販の漢方薬を選ぶよりも、きちんと医師に診てもらって処方を受ける方が、ご自分に最適な漢方薬が見つかり易くなることは間違いないでしょう。これは、一見すると同じ症状に見えたとしても、患者様の体質(=「証」)によって異なる漢方薬が処方される「同病異治(どうびょういち)」の考え方によるものです。
なお、これらの漢方薬(漢方療法)は、当院のような心療内科クリニックにおいて、保険適用で処方することが可能です。ご希望の患者様は、診察時に医師の方にお申し出下さい。
当院では、
うつ病、躁うつ病、不安症、適応障害、心身症、
パニック症、月経前症候群(PMS)、摂食障害(過食症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
統合失調症、強迫症、過敏性腸症候群(IBS)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。