こころのペリカン便り

Column

【心療内科 Q/A】「ホルモンバランスの乱れによる自律神経失調症への対策」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

自律神経失調症は、ホルモンバランスの乱れによっても起こることを、以前同コラムにて記載させて頂きました(参照:自律神経失調症は『女性』の方が多いのですか?)。特に、女性の場合は、生理周期や更年期の影響などによって女性ホルモンのバランスが乱れやすく、それが自律神経の乱れや自律神経失調症の原因になっている場合は少なくありません。

 

 

しかしそのことを「これは仕方のないことだ」と諦めるのではなく、前向きな対処により、改善していくことは充分に可能です。日々の生活における心掛け次第、ちょっとした工夫で調整できます。食事の工夫もその一つです。

 

 

例えば、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをすることが知られています。女性には大豆製品をぜひ積極的に摂って頂きたいところです。お勧めは納豆や豆乳ですが、他にもおからを粉末状にしたおからパウダーも良いでしょう。この「おからパウダー」は、料理や飲み物に加えるだけで大豆イソフラボンが取れるため活用しやすいことが謳われています。

 

 

また、食事の最初に肉や魚を摂取すると、小腸から食べ過ぎを防ぐGLP-1というホルモンが分泌されることも分かっており、食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。

 

 

他にも、自律神経を整える上では欠かせないホルモンは多々あります。例えば、しっかり睡眠をとると、免疫を高める成長ホルモンの分泌が促されます。この成長ホルモンの分泌には、質の良い睡眠が不可欠とされています。よって、入眠前にゆっくりと入浴をされたり、ブルーライトを避けたりといったことを心掛けて、眠り易い状態を作っておくことが大切になります。

 

 

そして、ストレス耐性とも関連してくる「セロトニンも、意識して頂きたいホルモンの一つです。セロトニンは、通称幸せホルモンとも呼ばれており、精神を安定させる作用があります。このセロトニン分泌を促進させる方法の一つがリズム運動です。最も手軽なリズム運動は咀嚼(そしゃく)運動であり、食べ物を噛めば噛むほど精神が安定してくることが立証されています。大リーグの選手が、ガムを噛んでいるのもこの為です。ガムを20分間程度噛むと、脳内のセロトニン濃度が急速にアップするそうです。他にも、腹式呼吸や20分程度の軽いジョギングも、リズム性の運動ですので、セロトニン分泌を高めることに繋がります。

 

 

このように、日々の生活を見直してみると、ホルモンの分泌を促し、ホルモンバランスやひいては自律神経を整えるためのヒントは至るところにあるのです。ぜひこれらを意識されてみられることで、心身の不調を根本から改善していきたいところです。

 

 

 

当院では、自律神経失調症をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、

摂食障害、パニック障害、睡眠障害(不眠症)、

月経前症候群、更年期障害、心身症、

統合失調症、強迫性障害、過敏性腸症候群、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。