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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
メンタルヘルスを考える際に、近年よく用いられるようになった概念として「レジリエンス」というものがあります。
バネに重りを掛けると、バネは負荷の大きさに比例をして伸びます。重りが無くなると、元の状態に戻ります。これが、物理学でいうところの「弾性(レジリエンス)」です。ところが重りが大き過ぎると、弾性限界を超えてしまい、バネは伸びきったままで元に戻らなくなってしまいます。ストレスと私たちの心との関係にも同様のことが言えます。
ある程度の範囲のストレスならば、それが取り除かれれば(無くなれば)、元の状態を取り戻します。しかし、限界を超える大きな負荷(ストレス)が掛かったり、比較的小さな負荷(ストレス)であっても、それが長期間掛かりっぱなしの状態になったりすると、元には戻らなくなってしまいます。
上記のことから、ストレスの「大きさ」や「持続期間」がその個々人の限度(限界)を超えないようにすることは、とても大切になってきます。負荷(ストレス)が大きすぎないか、ということと同時に、休養やリフレッシュのための時間がきちんと取れているか、ということも重要なのです。
しかし、その一方で、同じようなストレスが掛かっても、持ちこたえられる人と、潰れてしまわれる人がいるのも事実です。相当な負荷(ストレス)が掛かっても、少し休まれれば元気を取り戻される方もいれば、些細な負荷(ストレス)でもバネが伸び切ってしまう方もいます。それは「心の強さ(メンタルの強さ)」に差があることに拠ります。
「心の強さ(メンタルの強さ)」とは、言い換えれば、傷つきにくさや、傷ついても回復することが出来る力のことです。それを、バネのレジリエンス(弾性)になぞらえて、「心のレジリエンス(柔軟性、しなやかさ、立ち直る力)」と呼んでいます。レジリエンスが大きい方は、ストレスや逆境にも強く、失敗や挫折をはね除けて、粘り強く生き抜いていくことができます。
うつ病などの心の病気にならないためにも、またそうした状態から回復していくためにも、ご自身のレジリエンスを高めるということは、とても重要になってくるのです。
レジリエンスを左右する「7つの要素」というものがあります。具体的には、「否定的認知」、「完璧主義」、「固執性」、「過敏性」、「共感性」、「情動制御(気持ちや欲望のコントロール力)」、「安全基地」といったものがそれに相当します。
「否定的認知」よりも「肯定的認知」の方が、「完璧主義」ではない方が、「固執性」や「過敏性」が強すぎない方が、「共感性」は高い方が、「情動制御」は強い方が、「安全基地」がしっかりと確保できている方が、レジリエンスが大きくなると言われています。さらにこれらの7つの要素は、相互に密接に関連しています。
ご自身の中のどの要素がネックとなられていたり、レジリエンスを高める上で足を引っ張ってしまわれていたりされるかを、この機会に振り返られて、そこを修正、改善される方向に努めていかれることが、真の意味でタフなメンタル(心の強さ)を手に入れられることに繋がっていくのです。
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