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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
以前、同コラムにて「非定型うつ病」について記載させて頂きました。「非定型うつ病」とは、従来の「うつ病」(定型うつ病)とは違うタイプのうつ病(抑うつ状態)を指していますが、今回のコラムでは、その両者の『違い』について、より丁寧に記述していこうと思います。
従来からある「うつ病」と言えば、抑うつ症状、意欲の低下、興味や関心の喪失、気分が晴れない、不眠、食欲不振…といった症状が代表的なものですが、同じ「うつ病」でも、これらの症状が当てはまらない新しいタイプのうつ病が、「非定型うつ病」です。
「非定型うつ病」は、「新型うつ病」と呼ばれることもある心の病気です。40歳代~50歳代の働き盛りの世代に多い「うつ病」に対して、「非定型うつ病」は、特に20歳代~30歳代の比較的若い世代に多いという特徴があります。
中でも、うつ病が疑われる20歳代~30歳代の女性の場合、その約8割が「非定型うつ病」だと言われており、これは同世代の男性の約3~5倍とされています。
この「非定型うつ病」は、抑うつ症状が強く出るため、日常生活にも支障をきたす程ですが、ただ食欲もあり、夜もよく眠れ、どちらかと言うと過食・過眠傾向で、体重の増加も見られることから、うつ病とは気づかれずに治療が遅れてしまう場合があります。
また、「日内変動」に関しても、従来のうつ病の方は「朝方が特に調子が悪く、夕方から夜にかけて少し改善する」ことが知られていますが、「非定型うつ病」の方の場合は「夕方から夜にかけて調子が悪くなる」というように、かなり違うことがお分かり頂けるかと思います。
他にも、従来のうつ病の方は「例え自分が好きなことであってもやる気が出ない」のに対し、「非定型うつ病」の方は「自分にとって嫌なこと(例えば、仕事や学業等)の際は抑うつが出るのですが、楽しいことや嬉しいことがあると、急に元気になってしまう」という特徴があります。
上述のように「非定型うつ病」は、従来型のうつ病とは異なる症状が示されることや、他の心の病気(例えば、双極性Ⅱ型障害など)とも似た症状があることから、心の病気を専門とする医師の間でも診断に苦労することが多い病気の一つです。
また、「非定型うつ病」は、パニック症などの不安症を併発しやすく、併発すると重症化しやすいという特徴もあるので、決して軽く考えないで、気になられるようであれば、早めのご受診をお勧めします。
このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、
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