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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
以前同コラムにて、「月経前不快気分障害(以降、PMDD)」と重症の「月経前症候群(以降、PMS)」の違い(鑑別ポイント)について記載させて頂きました(詳細は『PMDDとPMSの違いを教えて下さい』をご参照下さい)。確かに、PMDDと重症のPMSは、最も鑑別を要するものの一つではありますが、PMDDとの鑑別が必要な疾病はPMSのみではありません。PMDDと鑑別すべき疾病としては、PMSは言うまでもありませんが、「他の精神疾患の月経前の悪化」という場合も往々にしてあり得るのです。
既に何らかの精神疾患に罹患されている女性の患者様は、月経前には抑うつ症状が悪化すること多いとされています。このことを、英米圏では“premenstrual exaggeration(月経前の誇張)”と呼ばれています。これらは、PMDDではなく、「現疾患名+PMS」と診断するのが最適でしょう。この状態と、PMDDの鑑別ポイントは、「月経終了後の1週間の間に精神症状があるか否か」であると言えるでしょう。もしも、月経終了後にも、何等かに精神症状が認められる場合は、PMDDではなく「精神疾患の月経前の悪化(premenstrual exaggeration)」である可能性が高いでしょう。
いずれの精神疾患であっても、生理のある女性の場合、月経前に症状が増悪する傾向があることが知られています。その代表的なものとしては、「うつ病(大うつ病性障害)」「躁うつ病(双極性障害)」「気分変調症(持続性抑うつ障害)」「パニック症(パニック障害)」「統合失調症」「注意欠如・多動症(ADHD)」などが、月経前には症状が悪化することが多いとされています。また、「境界性パーソナリティ障害」の患者様も、月経前には、問題行動やトラブルが、より出現しやすくなる傾向があります。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
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当院では、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害、
睡眠障害(不眠症)、摂食障害(過食症)、パニック症、
自律神経失調症、心身症、更年期障害、冷え性、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
統合失調症、強迫症、過敏性腸症候群(IBS)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
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