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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「睡眠相後退症候群」という病気も、睡眠障害の中に存在します。これは、体内時計のリズムが乱れ、「極端な夜型」になったまま、戻らなくなってしまう症状です。夜中遅くまで入眠出来ず、一旦寝つくと昼頃まで目が覚めません。睡眠の「位相」が後ろにずれてしまっているため、患者様にとっては「著しい入眠障害と、起床困難がある」と認識されている方も少なくはないでしょう。
このように、体内時計(概日リズム)の乱れにより、極端に夜型になったまま戻らなくなる「睡眠相後退症候群」ですが、午前3時~午前6時頃まで眠れず、一旦寝入ると昼まで目覚めません。また無理に起きても、眠気は勿論のこと、頭痛や倦怠感といった体調不良が現れます。
「睡眠相後退症候群」になってしまうキッカケとしては、夜遅くまで仕事をすることが常態化したしまうことや、期末試験や入試のために遅くまで勉強してしまうこと、あるいは、深夜までスマホやPCでゲームやチャット、記事閲覧などをすることの習慣化などによって、いつの間にか睡眠相が全体的に後退することにより発生します。場合によっては、長期休暇といった、自分の入眠時間の自由度が高い際に、端を発することもあります。
このようになってしまった睡眠相を戻すには、「メラトニン」の力を上手に活用していくことが一番です。まず、朝一番に日光を目に入れること。これにより、目に光が入ってから数時間経過した時間、ちょうど就寝に程よい時間に、脳の松果体から、入眠を誘発する「メラトニン」が自然と放出されるようになります。つまり、起床後に日光を浴びることで、体内時計にズレがリセットされる訳です。
また、メラトニンは、日中の運動をされることでも増やすことが可能です。特に「ウォーキング」のようなリズミカルな反復運動がお勧めです。ウォーキングのスピードは一緒に歩く人と会話できる位のペースがちょうど良いでしょう。
他にも、メラトニンが含まれている食品を積極的に摂られるのも良いでしょう。メラトニンは、白菜やキャベツ、ケール等に比較的多く含まれています。サラダにして食べても良いですが、葉物野菜ですと中々分量が取り辛い側面があります。そういった時は、時期的にも「お鍋」の具材として取り入れてみられては如何でしょうか。
また、医師から処方される睡眠薬の中には、メラトニンの作用機序に特化した睡眠薬(メラトニン受容体作動薬)というものも存在します。医師とよく相談されて、場合によっては、ご自分により合った睡眠薬に切り替えるのも一つの方法でしょう。
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