こころのペリカン便り

Column

【心療内科 Q/A】「『循環気質』と『適応障害』の関係性とは?①」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

以前同コラムにてタイプA行動パターンについて記載させて頂きました。実は適応障害やうつ病に罹り易い性格のタイプの一型に、このタイプA行動パターンは挙げられています。そして、適応障害やうつ病に罹り易い性格のタイプのその他の一型として循環気質(躁うつ気質)も挙げられているのです。

 

 

循環気質(躁うつ気質)」は、日本人に多いとされ、実に全人口の2割を占めている性格の一つです。基本的には、快活で陽気で明るく大らかで、社交的でユーモアがあり、仕事に対しても意欲的に取り組むことができるとされています。しかし、時として、仕事に対する意欲が長続きせず、突然やる気が無くなってしまうことで、仕事の効率を悪化させてしまします。一定のパフォーマンスを維持することが出来ないのです

 

 

循環気質の方の意欲の「源泉」は、他者からの評価です。循環気質の方は、決して自信満々なのではないのです。周囲、特に会社(職場)においては、上司や同僚の方々から認められたい気持ちが強く、また、その延長として、時に過大な自己評価をします。

 

 

本音では、自分に自信がなく、他者からの評価によりアイデンティティを確認しようと、常に試みていますが、それはそうしないと安心できないからです。

 

 

ポジティブな評価が続けば、それをエネルギーとして、さらに意欲的に仕事に取り組むことが出来ますが、ネガティブな評価は受け入れることが出来ません。何故なら、受け入れてしまうと自己崩壊に繋がるからです。

 

 

また、些細な言動ですぐにカッとなり、上司の方からの忠告を素直に聞けず、落ち込んでしまいます。仕事に支障が出て、その結果、さらにネガティブな評価を下され落ち込む…という「負のループ」に陥ってしまいます。

 

 

注意すべきは、循環気質の方に見られる好不調の波は、強度のストレス状況下において、他の性格傾向の方にも見られるものであるということです。どんな人であろうとも、火事場の馬鹿力のように一時的にエネルギーを放出し、仕事に集中しますが、すぐにガス欠で動けなくなってしまいます。ほどなく放出するエネルギーは底を尽き、全く仕事が出来なくなってしまうのです。

 

 

上記のような有り様が、循環気質の方の気分の波と似通っています。追い込まれた不安と恐怖慢性的な緊張により、心身をコントロール出来なくなることによって起きてしまうのです。

 

 

 

当院では、適応障害うつ病をはじめ、

躁うつ病(双極性障害)、自律神経失調症、心身症、

睡眠障害(不眠症)、ストレス関連障害、統合失調症、

パニック症、強迫症、不安症、摂食障害(過食症)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、

月経前症候群(PMS)、過敏性腸症候群など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っておりますカウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。