こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】 「『タイプA行動パターン』って何ですか?」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

精力的で活動的。何事にも一生懸命で、ついいつも時間に追われて、忙しく動き回ってしまう。競争心が強い……これは、フリードマンとローセンマンという心理学者が命名した『タイプA』と呼ばれる人の行動パターンです(=タイプA行動パターン)。

 

 

タイプAを「せっかちタイプ」だとすると、それとは対照的な「のんびりタイプ」を、『タイプB』(=タイプB行動パターンと呼んでいます。

 

 

タイプA行動パターンの特性を持つ方は、管理職に多く出世されるタイプなのですが、持続的なストレスを受けていることが多い上、ご自身のストレスに無自覚(無頓着)な側面がありますよって、タイプBの特性の方と比べると、統計学的には、心臓病高血圧になり易いと言われています(そこまでに至ると、一種の心身症と言えるのかもしれません)。

 

 

タイプA行動パターンの方は、成功を目指して、がむしゃらに頑張ることが出来ます。仕事に対する熱意は人一倍なので、必ずしもストレスに弱いわけではないのです。気をつけなくてはならないのは、「いくら頑張っても、計画通りの成果が上がらない」と感じられた時です。

 

 

タイプA行動パターンの方は、これまで精力的に仕事をしてきただけに、仕事に価値が見いだせなくなると、突然やる気を失い、どうしようもない無力感に襲われることがあります。世の中には、自分の力ではどうしようもないことも多々ありますが、タイプA行動パターンの方は、能力や意欲が高いばかりに、何もかも自分で背負いこもうとしてしまいます。そして、どんどん自分を追い込んでいってしまうのです。

 

 

加えて、「タイプA行動パターン」の提唱者であるフリードマンは、「タイプA」の方が大きい成功を収めるように見受けられますが、実際の所は「タイプB」の方が成功しやすい、と言っています。その理由は、タイプAの方はストレスによって疾患を患う確率が高く、仕事に支障をきたす場合が多くなるからだそうです。折角頑張って多くの仕事をこなしても、体調を崩して長い期間仕事ができなくなってしまったら元も子もありません。

 

 

もしも、ご自身にタイプA行動パターンの傾向を感じられたならば、もう少しゆとりや余裕のある生活を心掛けてみられることをお勧め致します。いつも時間に追われてばかりいたのでは、緊張感を解きほぐす間がありません。効率的に動いているように見えても、急ぐあまり、大切なことを見落としているかもしれません。

 

 

時には立ち止まって、じっくり考える時間を作るのも大切です。例えば、食事はゆっくりと時間をかけて、会話と料理を楽しむようにすると、気分がリフレッシュして、仕事上の良いアイディアがひらめくこともあります。また、会話の中から、貴重な情報を得られることもあるでしょう。世の中には、自分の努力だけではどうしようもないことが起こり得ます。がむしゃらに頑張るばかりでなく、時間や心の余裕がもたらす成果にも、ぜひ目を向けてみて下さい。

 

 

 

当院では、ストレス関連障害をはじめ、

自律神経失調症、心身症、睡眠障害(不眠症)、

うつ病、躁うつ病(双極性障害)、適応障害、

パニック症、強迫症、不安症、摂食障害(過食症)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、

月経前症候群(PMS)、統合失調症、過敏性腸症候群など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っておりますカウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。