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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
以前同コラムにて「軽症うつ病(軽症うつ、軽度うつ)」について「概説」をさせて頂きました(参照:「『軽症うつ』って何ですか?」)。今回はもう少し詳しくご説明をさせて頂きます。
「軽症うつ病(軽症うつ、軽度うつ)」の象徴的なエピソードとしては、「意欲のわかない状態が数か月前から続いているが、仕事や家庭のイベントを休む程ではない」「定年退職をして再就職をしたのに以前の調子が出なくなった」「些細な出来事が心のトゲとなり、いつまでも気にしてしまう」…等といったものが挙げられます。そして、確かにこの程度の症状だと、患者様としては「心療内科や精神科を受診する程ではない」という自己判断してしまいがちになってしまうのです。
軽症うつ病は、経過が3か月~6か月以上と長く、不安と抑うつ気分、抑制(億劫な気分)という精神状態が混在します。典型的なうつ病と同じく、原因分類としては「内因性」となり、適応障害に見られるような前駆する明らかなストレス因子等は見られません。このことから、患者様への説明として「心理的疲労」という用語がよく使われます。
そして、抑うつ症状自体は軽度であり、外来で充分に治療可能であることから「外来うつ病」と言われることすらあるそうです。
この軽症うつ病の患者様に多く見られる病前性格は、真面目で几帳面、30歳以上で責任感が強く、頑張り屋であることです。そして、それまで比較的良い適応をされてこられた方も多く、一方で「執着傾向」がある方も罹り易いと言われています。
そして、軽症うつ病の主訴として特徴とされる事柄は、「身体症状」の訴えが前面に出易いことです。上述の通り、軽症うつ病の場合、抑うつ症状は軽度ですが、一方で身体症状の訴えが顕著になります。
実際、軽症うつ病の患者様が、始めにどのような主訴で受診されているかの調査研究に拠りますと、一番多かったものが「不眠」であり、続いて、易疲労感、頭重・頭痛、肩こり・腰痛…といった身体症状であったそうです。
この結果から導き出せる事柄は、頭痛やめまい、不眠症、自律神経失調症、更年期障害、過敏性腸症候群、過換気症候群、慢性胃炎…等々の病態や病名を持ち、そのような症状を訴えられて長期間治療を受けられているにも関わらず一向に改善されない場合、その背景に「軽症うつ病」が隠れている可能性があるということが言えるのです。
当院では、
うつ病、躁うつ病、不安症、適応障害、強迫症、
心身症、ストレス関連障害、睡眠障害(不眠症)、
パニック症、自律神経失調症、更年期障害、
摂食障害(過食症)、月経前症候群(PMS)、
統合失調症、過敏性腸症候群(IBS)、冷え性、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。