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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「境界性パーソナリティ障害」の診断基準について、アメリカ精神医学会の『DSM-Ⅴ』においては、次のように定義されています。
対人関係、自己像(アイデンティティ)、感情などに不安定性、及び著しい衝動性が見られ、成人期早期までに始まり、長期間(通常1年以上)続き、そのことで生活に著しい支障や苦痛が生じており、以下の内5つ(またはそれ以上)が含まれる場合、境界性パーソナリティ障害の可能性が疑われます。
- 見捨てられることに対する強い不安感。
- “理想化”と“こき下ろし”の両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係。
- 自己同一性の混乱(持続的に不安定な自己像を抱えている)、
- 自己を傷つける可能性のある衝動性(激しい喧嘩、浪費、性行為、物質乱用、無動な運転、過食などから2つ以上。但し、自殺企図や自傷行為は除く)。
- 自殺企図や自傷行為を繰り返してしまう。
- 感情が極めて不安定であり、2~3時間で気分が変わり、2~3日以上持続することは稀である。
- 慢性的な虚無感(空虚感)に苛まれている。
- 激しい怒りを持ち、その怒りを制御することが出来ない。
- ストレスが掛かると、一時的に「解離症状(記憶が飛ぶ、自分のことのように感じられなくなる等)」が生じることがある。
前回記載させて頂きましたように、他の精神疾病(特に、双極性障害)との見極めが大切になってきます。何故なら、治療方針が全く異なってくるからです。加えて、女性の方の場合、PMS・PMDDとの鑑別も必要になってくることでしょう。また、境界性パーソナリティ障害に別のパーソナリティ障害が合併しているケースもあり、上記の診断基準に分かりやすく一致しないことも有り得ます。
いずれにしても、境界性パーソナリティ障害は、「対人関係」をベースにした疾病とも言えるため、患者様ご自身が一人で何とかしようとされるには限界があるのも事実です。患者様を支える適切な第三者の介入(それを場合によっては、医師や心理師などが担います)が、この疾病の治療には不可欠となってくるのです。
当院では、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害、
心身症、ストレス関連疾病、睡眠障害(不眠症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
パニック障害、自律神経失調症、冷え症、摂食障害、
月経前症候群(PMS)、更年期障害、統合失調症、
強迫性障害、過敏性腸症候群、境界性パーソナリティ障害等、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。