こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】 「『境界性パーソナリティ障害』の状態像(臨床像)とは?」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

前回は、境界性パーソナリティ障害」の診断基準(『DSM-Ⅴ』より)を記載させて頂きました。ただ、診断基準というものは、実際のその方の状態像(臨床像)を思い浮かべやすいように描かれているかというと、必ずしもそうとは言い切れない側面があります。よって、今回は境界性パーソナリティ障害」の方の「状態像(臨床像)について書かせて頂きます。

 

 

「境界性パーソナリティ障害」とは、近年、若い人たち、特に都市部で女性に増えている精神疾患です。

 

 

非常に衝動的で気分の移り替わりが激しいのが特徴です。そのため、対人関係も一時的には何とか保てるのですが、長続きさせることが出来ません。

 

 

「黒か白か」「善か悪か」「敵か味方か」等というような両極端な考え方をしやすく、相手から望み通りの親密さや依存への満足感が得られないと、強烈な怒りをぶつけてきます

 

 

こうして本人はどんどん孤独になっていくのですが、孤独に強いかと言うと、まるで弱く、常に他者からの愛情を強く求めます強い愛情希求。その根底には「自分を見捨てないで」という強い欲求があり、「自分が見捨てられるのではないか?」という強い不安、即ち見捨てられ不安が存在しています。

 

 

また、衝動的であるため、仕事や学業も中途半端でやめてしまい、その都度挫折感を味わってしまいます。こうしたことから、自分は何のために生きているのだろう…」といった虚無感(空虚感が常に付きまとい、時には衝動的に自殺を図る(自殺企図)こともあります最も多いのは、手首を切るリストカットを繰り返すケースです。

 

 

感情の変動の激しさにより、病院への通院が安定しなかったりするため、一貫した治療を行うことが中々困難なこともありますが、治療継続が軌道に乗り始めると、症状改善に繋がっていくことが期待されます。

 

 

また、発症は成人早期までが一般的です。そのこととも関連していますが、この疾病は年齢が上がるにつれて自然と治っていくという側面も大きく、30歳前後になると症状もかなり鎮静化すると言われています。これには、年齢が増すことによる、自我(アイデンティティ)の形成・確立・成熟が影響しているという指摘がなされています。

 

 

 

当院では、

うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害、

心身症、ストレス関連疾病、睡眠障害(不眠症)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

パニック障害、自律神経失調症、冷え症、摂食障害、

月経前症候群、更年期障害、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、境界性パーソナリティ障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っておりますカウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。