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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
職場復帰に向けての産業医面接は、主治医から「職場復帰可能」という診断書が提出された後に行われるのが通常で、職場に戻って働くことが出来るかどうかという観点から、病状回復の程度を判断することになります。よって、主治医の考える「日常生活が問題なく送れている」というレベルよりも高い病状回復の程度が求められることになります。
そのため、抑うつ気分、意欲低下、不眠、食欲の低下といった症状が、ある程度改善していることを前提として、面談が行われることになります。従って、これらの病状の回復が不十分な場合には、職場復帰可能の判断は通常なされません。それに加え、職場復帰に必要な体力や職務遂行能力の回復の程度がポイントになるので、産業医の視点は次の5点に向いていると言えます。
① 休業中の生活
② 職務遂行能力の回復
③ 現在、服用している薬について
④ 再発予防の工夫について
⑤ 休職に至った原因の分析とその対策が出来ているか
では以下に、①②③④⑤それぞれのポイント対策を記述します。
① 休業中の生活★対策
家で一日中ゴロゴロしている場合と、リワークプログラムに通ったり、一人で計画的にリハビリプログラムを立てて行ったりしている場合とでは、産業医からの評価は全く異なってきます。リワークプログラムに参加した場合には、実施機関からの実施評価表や出席表といったものが客観的な資料として産業医面談の際に役立つでしょうし、一人でリハビリプログラムを実施した際には、その時につけていた活動記録(表)や日記などを示すと良いでしょう。また、面談時の服装や身なりも重要な判断要素です。休業中だからと言って、ラフな格好や、無精ひげを生やして面談に臨むのは、決してプラスの要素にはなりません。
② 職務遂行能力の回復★対策
産業医としては、集中力やその持続力・記憶力等、職場復帰した際に必要とされる能力がどの程度回復しているかをしっかり見ています。新聞の要約などを続けている場合には、そのような成果を提示することで、「文章を読み、理解し、まとめることが出来る能力」が回復していることを印象付けることが出来ます。 また、産業医面談になると、緊張して頭が回らなくなることもありますので、どのようなことが聞かれるかを想定し、事前に話したいことを整理しておくことも重要です。これは面談のためのテクニックでははく、実際にそのようなことが出来れば十分に能力が回復している、ということを示しているのです。
③ 現在、服用している薬について★対策
薬の服用による眠気は、職種によっては、職場において大きな事故に繋がる恐れがありますので、産業医としては気になるポイントの一つです。現在、服用している薬剤やお薬手帳を持参すると良いでしょう。また、薬の服用後に強い眠気等がある場合には、主治医と相談して、薬を飲む時間を工夫したり、薬の種類や量を調整してもらうように心掛けましょう。
④ 再発予防の工夫について★対策
職場復帰後は、休職中と同じように平日の昼間等に通院することが難しくなることもあります。しかし、職場復帰後も通院と薬剤による治療の継続が必要な方が殆どですから、主治医と職場復帰後の通院計画について十分話し合いがなされているかがポイントとなります。主治医と今後の治療計画がきちんと話し合われていることは、産業医の視点から見ると、「再発予防への取り組みが適切になされている」という安心材料の一つとなるのです。
⑤ 休職に至った原因の分析とその対策
休職に至った原因をどのように内省出来ているかも、非常に重要なポイントです。勿論、過度に原因ばかりを突き詰めることはありませんが、“職場”という必然的にストレスが存在する場所に戻る訳ですから、「仕事を抱え込みすぎて、心の病気になってしまったのか?」「職場の人間関係に大きな問題があったのか?」等、職場に内在するストレス原因を評価して、職場復帰後、もう一度そのような場面に遭遇した際に、どのように解決していくのか、その対策を立てておくことが重要です。
当院では、適応障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、自律神経失調症、
パニック障害、不安障害、社交不安障害、恐怖症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
摂食障害、睡眠障害(不眠症)、心身症、
月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、
過敏性腸症候群、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。