こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑧」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第8回です。アンガーマネジメントは、ADHDを始めとした発達障害の方に限定されたものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです

 

 

今回は、瞬発的な怒り(短期的な怒り)に対してではなく、長い間モヤモヤされてしまわるような長期的な怒り」への対処法の中から一つ、ご紹介をさせて頂きます。それはマインドフルネス」を、日常生活に取り入れていく方法です。

 

 

「マインドフルネス」は瞑想をベースにした心のエクサイズであり、近年では第三の認知行動療法とも言われています。怒りや不安に揺れる心を落ち着かせ、ネガティブな感情に飲み込まれるのを防ぐ際にお勧めです。

 

 

今回ご紹介するのは、マインドフルネスの中のボディスキャンと呼ばれる方法(1~6の順番で行う)です。静かな落ち着ける場所で、30分程度の時間を目安に行っていきます。

 

 

  1. 背筋を伸ばして椅子に座ります:背筋を伸ばし、肩をまっすぐにして椅子に座り、軽く目を閉じます。背筋以外は力を抜いて、楽にされて下さい。
  2. 全身に息を吹き込みます:そのまま自然な呼吸を続けます。その際、吸った空気が全身を巡って、また口から出ていくようなイメージをされて下さい。
  3. 足先から太ももまで集中をしていきます:まずは左足の先に意識を向けます。指1本ずつが床に触れている感覚、冷たさなど、あらゆる感覚に気付いていきましょう。同様に、指の付け根、足の裏、足首から脛、ひざ、太ももまで、ゆっくりスキャンをするように注意を向けていきましょう。左足が終わったら、右足へ移ります。
  4. 腰から胴体、腕までを意識してきます:腰、胴体、背中の順に集中をしていきます。呼吸に伴う胸の動きや心臓の鼓動にも注意を向け、肺の動きにも気付きましょう。その後、腕から手首、指先に集中していきます。
  5. 首、顔、頭まで集中をしていきます:首、喉、口へと注意を移し、唇や舌を感じます。そして、目、耳、額から頭、髪が皮膚に触れている感覚に気付きましょう。
  6. 全身をくまなく意識します:全身をスキャンするように、全身に空気が出入りしていることを感じ、気持ちが落ち着いている感覚に気付いて、終了します。

 

 

ボディスキャンをされる時のコツは、何かを判断しないことを続けていくことです。心に湧き出る怒りや不安など感情に気が付いても、今はそれを一旦脇に置き、感情に囚われず、「身体感覚に注意を戻していきます。ひたすら今、この瞬間のあるがままの状態に意識・注意・集中を向けることを行って下さい。

 

 

このボディスキャンを含めたマインドフルネスは、その人ごとに「合う・合わない」といった“好み”がかなり出やすい側面があります。「試してみたらスッキリした、気持ち良かった」と感じられた方は、ぜひ継続されてみて下さい。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、心身症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また、ご希望の方には、アンガーマネジメントマインドフルネスについてのご相談も承っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。