こころのペリカン便り

Column

【心療内科 Q/A】「睡眠障害です、『朝太陽の光を浴びると良い』のは何故ですか?」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

睡眠障害(不眠症)で、現在治療を受けていらっしゃられる方は、恐らく、主治医の先生から、「朝、一度は太陽の光を浴びて下さい」といった指導を、既にお受けになられていることかと思われます。

 

 

睡眠障害(不眠症)を患うと、人間の「体内時計」がずれてしまい、夜になっても眠れない、朝になっても目が覚めないといった、生活リズム(睡眠-覚醒リズム)の乱れを生んでしまいます。

 

そして、この体内時計を司っているのが、「メラトニン」と呼ばれる眠りを誘う脳内ホルモンなのです。

 

メラトニンは、脈拍・体温・血圧を低下させることによって、睡眠と覚醒のリズムを上手に調整し、自然な眠りを誘う作用があります。

 

 

このメラトニンは、脳の松果体(しょうかたい)と呼ばれる部分から分泌されますが、松果体は、目に入る光の量をもとに、メラトニンの分泌量を決定します。

 

太陽の光を浴びることによって、メラトニンが減退し、夕方になり、目に入る光の量が減ってくると、それを感知した松果体がメラトニンを分泌するのです。

 

 

また、メラトニンは、太陽の光が目に入ってから、15時間程度経たないと分泌されない、という性質があります。

 

つまり、外が明るい時間には殆ど分泌されずに、夕方以降、暗くなってくると分泌量が増加し、夜になるとさらに増えて、午前2時頃に分泌量のピークを迎えます。その後、朝に向かって徐々に覚醒に近づくことになります。

 

 

 

そこで、睡眠障害(不眠)に悩まされている人の場合は、まず一度起床して、太陽の光を目に入れることから始めるわけです。

 

それにより、メラトニン分泌のリズムが正常化し、少しずつ通常の生活リズムを取り戻していくことが出来るようになるのです。

 

 

 

最初は、朝身体を起こすことが中々難しいという方は、寝床を窓の傍に設定し、窓にはカーテンではなく、ブラインドを掛けておくという方法でも良いと思われます。

 

朝になって太陽が昇り、外界が明るくなるにつれて、自然にブラインドから入ってくる光を浴びる(目に入れる)だけでも、ある程度の効果が期待できるということが言われていますので、ぜひ試してみて下さい。

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状況として、

気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、睡眠障害(不眠症をはじめ、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、自律神経失調症、月経前症候群、

統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。