こころのペリカン便り

Column

【心療内科 Q/A】「『早寝早起き』よりも『睡眠リズム』が最優先!」

A.
医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

睡眠が、心身双方のエネルギーの補充において重要なのは言うまでもありません。睡眠の何が重要かと言いますと、睡眠そのもの然ることながら、何より「規則性(リズム)」が欠かせません。

 

 

「睡眠リズム」とは、床に就く時刻と離床する時刻を軸とした、日々の睡眠の規則性のことです。よく、心の病気の治療をされている患者様の中には「何が何でも早寝早起きをしなくてはいけない」と思われている方がいらっしゃられますが、それは一概には言い切れない側面があります。早寝早起きを最優先にされると、時として「早く寝る」ということにこだわり過ぎるあまり、焦りや緊張から却って眠れなくなってしまう、ということが起こり得るからです。それにより、安易に睡眠薬に頼ることにも繋がりかねません。

 

 

勿論、最終的に「早寝早起き」が出来るようになられることにが目標であったとしても、まず優先すべきことは「一定の時間に寝起きすること」です。その際、寝起きの時刻は余り重要ではありません。適切な睡眠時間には個人差と年齢差があり、成人ではおおむね6~8時間です。非常に極端な話をしてしまえば、昼夜逆転をされていらしても、寝起きの時間が一定であり、かつ6時間程度の熟睡が得られていれば、睡眠としては問題はないのです(※ただし、日常生活や社会生活に支障が出ばければの話です)

 

 

良くないのは、寝起きの時間が日によってずれる睡眠です。睡眠リズムの乱れは、体内時計の乱れを意味します。

 

 

体内時計には、脳に存在する「中枢時計」と、肝臓や皮膚を始めとする全身の細胞に存在している「末梢時計」があります睡眠リズムが一定ですと、両者が「同期」して内分泌系(メラトニン、セロトニン、成長ホルモン等)や自律神経系の日内リズムを作っていきます。そして日内リズムが正常に機能していると、日々を快適に過ごすことが出来ます。

 

 

ところが、睡眠リズムがバラバラですと、両者が「同期」しなくなる「脱同調」を引き起こしてしまします。その結果、ホルモンの分泌や自律神経の機能が失調し、倦怠感、易疲労感、めまい、食欲不振、抑うつ…といった様々な症状を呈します。「脱同調」は、睡眠リズムの乱れ以外にも、心理・社会的なストレスによっても助長されてしまいます。この「脱同調」を防止するのが、「睡眠リズムの一定化」になるのです。

 

 

 

当院では、自律神経失調症をはじめ、
睡眠障害(不眠症)、うつ病、躁うつ病、不安症、
摂食障害(過食症)、強迫症、心身症、適応障害、
月経前症候群、統合失調症、ストレス関連障害、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。