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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「妄想」という言葉を聞くと、「統合失調症」や「妄想性障害」「認知症」等が真っ先に挙げられていました。そして以前は、「うつ病には妄想の症状はない」とされていましたが、近年では「妄想もうつ病の症状の一つ」として考えられています(=「うつ病性妄想(妄想性うつ病)」)。但し比較的「高齢者のうつ病」に起こり易い傾向はあるようです。
うつ病性妄想の背景には、うつ病の症状としての「(自分に対する)無価値感」や「罪悪感」が強くなることで、以下のような妄想的な考え方に囚われてしまいます。
★「被害妄想」…皆が自分の悪口を言っていると思い込んでしまう。
★「罪業妄想」…自分は罪深い人間だと思ってしまう。
★「巨大妄想」…よりスケールの大きい罪業妄想。
★「貧困妄想」…自分には財産も資産も地位も何もないと思ってしまう。
★「心気妄想」…自分は不治の病に罹ってしまっているのだと思い込んでしまう。
★「忌避妄想」…自分は皆に嫌われ、避けられていると思ってしまう。
人は、うつ病の有無に関わらず、上記のような考えを大なり小なり持っています。しかしそれは、「ついこんなふうに考えてしまうことがあるけれども、それが考え過ぎであることは分かっている」と、自分自身の考え方の不合理性や矛盾にも気が付いているのです。
しかし、うつ病性妄想となると、その考えはご本人にとって「絶対的事実」や「確信」として認識されてしまっており、自分自身でその考え(妄想)の矛盾点やおかしな点に気が付くことができず、どんどん辛くなっていってしまわれるのです。
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