こころのペリカン便り

Column

【心療内科 Q/A】「療養中の適度なウォーキング量を教えて下さい」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

うつ病や適応障害などで療養を余儀なくされた方の多くは、そのお休みの期間は、外出することがついつい億劫になってしまい、多くの時間を自宅で過ごされます。よって、仕事をされていた時と比較すると、身体の活動量も大幅に低下してしまいます。そのため、全身の筋肉や心肺機能が低下し、病気に罹る前よりも疲れ易くなったり、動悸や息切れを感じたりすることも出てきます。

 

 

実際、社会復帰を果たされた後で、1日の仕事に加え、通勤ラッシュや家と駅の往復など、様々な場面で体力を消費し、身体的な疲労から、うつ病等をぶり返してしまう方も少なくはないのです。

 

 

ご自身のリハビリとして、通常の勤務に適応できるような身体機能を回復させるためのトレーニングが必要になってきます。しかし、トレーニングといっても、わざわざスポーツジム等に通わなくとも、日常生活の中で、十分に回復を図っていくことが可能です。そこでお勧めなのがウォーキングです。

 

 

万歩計で1週間程度、ふだんの歩数を数えてみて、1日平均8000歩程度動けているようであれば、身体機能としては、十分に余裕をもった職場復帰が可能となるでしょう。逆に、それよりも少ない場合には、復帰後に身体的な疲れを感じてしまう可能性がありますので、ご自身のリハビリとして、身体活動量を少しずつ増加させていくように心掛けましょう。

 

 

ただし、このリハビリ運動の大原則として、疲れるまでやり過ぎないことが最重要です。“乳酸”と呼ばれる疲労物質が体内で産出されるまで運動してしまうと、倦怠感により、億劫な気持ちになってしまうことも起こり得ます。「気持ち良いな」「心地良いな」と思える時点で、トレーニングを終わらせるようにしましょう。

 

 

具体的なウォーキングのトレーニング方法は、次の通りです。

 

 

1週間ごとに平均約1000歩(=時間で約10分程度、距離としては600~700m)程度の運動量の増加を目標として、最終的に1日平均8000歩程を、疲れを感じることなく歩けるようになれば、身体機能の回復としては十分に合格点だと言えるでしょう。

 

 

但し、通常よりも身体をよく使われるお仕事に従事されている場合は、医師とよく相談なされた上で、最終的にはもう少し運動量を加算する必要が出てくることも想定されておかれると良いかもしれません。

 

 

 

当院では、うつ病、躁うつ病、適応障害をはじめ、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、

不安障害、摂食障害、心身症、自律神経失調症、

パニック障害、睡眠障害、ストレス関連障害、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。