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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
女性の自閉スペクトラム症(以下、ASD)の方の場合、まずはASDの特性に対する基本的な対応は「環境調整」となってきます。しかし、環境調整に取り組みたくとも、体調が悪くて上手くいかないというケースが、女性のASDの方の場合しばしば見受けられます。
その一つの要因が、以前同コラムにてご紹介させて頂いたように、女性のASDの方には「慢性的で酷い体調不良」が伴うことが多いからです。
そういった場合には、まずは身体を回復させます。そのためには、薬物療法が有効です。生活リズムが乱れて昼夜逆転してしまっている方や、二次障害としてうつ病や不安障害等を発症されてしまい活動量が減っている方には、特に投薬が役立ちます。
ただし、ここで誤解しないで頂きたいのが、薬を使用するのは、あくまで、不眠や抑うつといった各種の症状を抑えるためであって、ASDの特性を抑えるためではありません。ですので、薬を使いながらASDに対する環境調整や、生活全般の見直しも行います。
環境調整等によって生活がしやすくなってくると、今度は体調不良が起こりにくくなります。症状は徐々に緩和していき、薬の量も減ってくるでしょう。
貧血や生理痛等、一部の症状に対しては、漢方薬やサプリメントが使われることもあります。これも、投薬と同じく、ASDに対する対応ではなく、一般的に身体症状がある時に使われる方法です。
漢方薬は、生理の前後であったり、身体的な疲労や倦怠感が強かったりする時に、体調を整えるために用いられることがあります。例えば、生理痛やその前後に不調に対しては「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「加味逍遙散(かみしょうようさん)」等、疲労感・倦怠感に対しては「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」等が処方されることがあります。
睡眠障害や貧血等の症状が慢性化されている場合には、サプリメントを用いて、その症状の軽減が図られることもあります。サプリメントは近年気軽なものとなってきてはいますが、飲み合わせやその方の状態によっては、思わぬ副作用が出ることもありますので、自己判断はせず、主治医ときちんと相談してから使うようにされて下さい。
このコラムを読まれまして、
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