A.
医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
日本における大人のADHDの治療は、通院(定期的な診察)と投薬治療が主流になっています。
日本において成人のADHDへの投薬治療(薬物療法)に使用されている薬は3種類あります。
ひとつは、「コンサータ」という商品名が付けられている「メチルフェニデート徐放錠」です。
メチルフェニデートは、海外のADHD治療ガイドラインにおいても推奨されている薬物で、脳の神経伝達物質であるドーパミンの働きを活性化させる作用があります。
但し、コンサータは、その依存性の高さが指摘されており、処方錠剤の厳重な管理を行うために、コンサータ処方登録医にしか処方が出来ないようになっています(申し訳ございませんが、当院ではコンサータの処方は出来ません)。
2つ目は、「ストラテラ」という商品名で処方されている「アトモキセチン塩酸塩」という成分が入った薬です。
脳の神経伝達物質ノルアドレナリンを活性化する働きがあり、DSM-5においては、ADHDの症状が比較的重い場合への処方が推奨されています。
3つ目は、「インチュニブ」という薬で、2017年5月に追加されたばかりです。
元々は高血圧の治療薬として利用されてきた「グアンファシン」を成分とするもので、これもノルアドレナリンの働きに作用します。近年、成人への投与も認められるようになりました。
こうした薬物療法は多くの効果をあげてきましたが、
実際には薬物慮法の奏功しづらい、
大人のADHDの患者様もかなり存在するそうです。
加えて、薬物療法が、計画を立てることや整理整頓といったような社会生活を上手く乗り切る問題そのものを、どの程度改善するかどうかは、明らかにされていない側面もあるため、薬物療法だけでは、これらの事柄を改善するには不十分である、という意見もあり、現在も研究は続いています。
そこで、薬物療法に加えて、もしくは、薬物療法が奏功しづらい方への治療法として、注目をされているのが、心理社会的治療(心理社会的介入)です。
この心理社会的治療(心理社会的介入)には、様々なものがあり、その中でも代表的なものが、認知行動療法や心理教育が挙げられています。
当院においても、医師による投薬治療に加え、ご希望の方には心理師による心理社会的治療も行っております。
このコラムを読まれまして、
ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、
パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、
統合失調症、強迫性障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。