A.
医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
自閉スペクトラム症(以下、ASD)の方は、
概して、時間管理が苦手な側面をお持ちです。
ついぼんやりとしてしまっていたり、
あるいは他のことに集中(過集中)している内に、いつの間にか時間が経ってしまい、
肝心なことや大切な用事に間に合わなくなってしまったり……ということが、
確かに起こってしまいやすいのです。
具体的な例としては、
勉強や仕事をする予定でいたはずが、
インターネットで何かを調べ始めたりゲームをやり始めたりすると、
そのまま気持ちのスイッチが切り替わらず、
日が暮れるまでやり続けて、そのまま一日が終わってしまう……ということも、
決して珍しくはありません。
以前、ADHDとゲーム障害との関連性について当コラムで紹介させて頂きましたが、
ASDの方の「注意の切り替えの困難性」や「過集中」という特性を鑑みると、
ゲーム障害へのリスク要因として、否定できない側面があるのも事実です。
加えて、時間の予測(見積り)が甘い面があるとも言われています。
例えば、待ち合わせの時間に間に合うには、逆算をすることで、
「何時何分には家を出る必要があるな」という刻限が割り出される筈ですが、
その時刻になってから準備を始められたりします。
その時刻に家を出るためには、準備に掛かる時間はもちろんですが、
それ以外にも少し余裕を持って計算し、
出発時刻だけでなく、準備を開始する時刻も予め決めておく必要がありますが、
ASDの方は、そういった段取りが上手く組めません。
他にも、「まだ30分ある」と思い、他のことを始めてしまい、
そのことに気を取られている内に、時間がギリギリになってしまうこともあります。
こういった時間管理を助けてくれるものとしては、
「タイマー」が非常に便利です。
キッチンタイマーでも構いませんし、
時間管理専用のタイマーだと、残り時間が一目で分かり便利です。
学習や業務の際にも、タイマーを上手に活用されることで、
集中力を高められるだけでなく、時間感覚を磨くことにも繋がります。
一つの課題や仕事に取り掛かられる前に、
所要時間を予測してタイマーをセットすることがポイントです。
そして、実際に掛かった時間と予測時間を比較することで、
より鋭敏に時間感覚が鍛えられていき、同時に、
時間管理能力が向上していくことにも繋がっていくのです。
このコラムを読まれて、
ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、
大人の発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、
睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。