こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「ADHDと自閉スペクトラム症の違いについて教えて下さい」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

今まで同コラムでご紹介させて頂きましたように、

ADHDと自閉スペクトラム症(以下、ASD)は、

表出している症状面においては類似性が大きく、

両者の区別が難しいケースも少なくはありません。

そして、その中には、両者が併存していると考えられる例もある一方、

単に“見かけ上”似ているように見えるケースも少なくはありません。

 

 

 

以下に、よく挙げられる行動上(症状)の特徴に関して、

その行動(症状)の背景要因としてADHDとASDにはどのような相違があるかを、

列挙させて頂きます。

ご自身の自己理解や、ご診察を受けられる上で医師に症状をお伝えする際に、

役立てて頂けましたら幸いです。

 

 

 

①「毎回し忘れてしまう、毎日目にしているのに気が付かない」:日常生活や仕事において、“毎日必ずしなければならないこと”というものが、少なからずあります。例えば、出社時に会社でタイムカードを押すこと等が、その良い例でしょう。ADHDの方のタイムカードの押し忘れは、不注意に起因するものと言われています。一方、ASDの方の場合は、時として、この行動が社会的な文脈において重要である、という認識の欠如によって起き得ると言われています。

 

 

 

②「話し出すと止まらなくなってしまう」:発達障害の方の中には、周囲に構わず、自分の考えを主張されたり、自分の興味のある分野の話ばかりしてしまう方が、時折いらっしゃられます。ADHDの方の場合は、それは“衝動性”の一種の現れ方であり、思いついた事を言わずにはいられない所に由来しています。一方、ASDの方は、その状況において自分が自由勝手に話をして良いのかの認識がしづらいために起こることが多いと思われます。

 

 

 

③「話がよくとんでしまう」:上記の「②」とも関連した内容になりますが、一般に発達障害の方の話の内容は時として説明が不足していたり、話題がポンポン飛んでいってしまったりすることが多々あります。ADHDの方の場合は、やはり“衝動性”の結果起こることが考えられます。一方、ASDの方の場合は、話を聞いている相手が話について来れているか、きちんと理解できているのか、といったことに無頓着であるがゆえに起こることが考えられます。

 

 

 

④「列の順番や会話に割り込んでしまう」ADHDの方は内的な衝動性により、時として我慢が出来なかったり待てなかったりすることがあります。一方、ASDの方は、“他者”に対しての意識の希薄さからそのような行動に繋がってしまうことがあると言われています。

 

 

 

⑤「『なれなれしい』と思われてしまう」ADHDの方は、元来人懐っこい性格の方が多く、あどけない行動をとることが多いと言われています(但し、安定した関係を継続することは難しいケースが多いです)。ASDの方の場合は、社会的に“適度”な距離感が分からずに、時として必要以上に親密に接してしまうことがあります

 

 

 

⑥「懲りない」:発達障害の方は、何度も同様のミスを繰り返してしまうことがあります。ADHDの方については、“不注意”傾向の反映であると共に、目の前の「快刺激(報酬)」を優先してしまいやすい結果でもありますASDの方においては、自らの行動を制止する社会的な必要性自体を感じにくいところに由来すると言われています。

 

 

 

⑦「アイコンタクトが苦手」ADHDの方で、視線が相手と合いにくい原因として挙げられることは、周囲にある様々な他の物に気を取られてしまい、そのことで視線が落ち着かないところに由来しています。逆にASDの方の場合は、他者(人)を含めた周囲の事物に対する無関心さのために、アイコンタクトを取らないことが多いとされています。

 

 

 

このように、一見観察される行動(症状)自体は同じであっても、

それがどういう心理的メカニズム(原因)によって起きているかは、

ADHDとASDはかなり違うことがお分かり頂けましたでしょうか。

 

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください

 

 

当院では、

大人の発達障害(ASD、ADHDを含むをはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、

睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。