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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
一般的に、「うつ病」になると、どのような症状の経過をたどることが多いのでしょうか。以下に、その典型的な経過を記載させて頂きます。
今回ご紹介する「症状の経過(1→8)」は、あくまでも最も一般的なものを示しています。よって、必ずしもこの通りに進行するという訳ではありませんので、その点はご留意下さい。
1.身体が何となくだるい、疲れが中々取れない、気分が落ち着かない、やる気が起きない、物事に集中出来ない、イライラする……といったことが気になり始めます。
2.食欲がなく、何をやっても楽しくない、よく眠れない、追い詰められた気分になる、焦り(焦燥感)が出てくる…等といったことが起き、仕事や家事、日常生活に徐々に影響が出始めます。
3.そのような自分に嫌気がさしたり、自分自身を責めたりしてしまいます。他にも、目に見えて体重が減ってくる、朝起きるのが辛い、便秘がちになる…等の諸症状に見舞われます。
4.不調を自覚し、かかりつけの医師に診てもらう段階になります。うつ病の場合、明確な病因はすぐに分からないため、焦りが強くなります。出勤出来なくなったり、朝起きられなくなったりし始めます。
5.何もかも上手くいかないのは全て自分のせいだ、自分は怠けものだ、といった自責の念が強くなります。
6.辛さや苦しさを感じるようになります。自責の念も増々強くなっていきます。他にも、じっとしていられなくなる、居たたまれないような強い焦燥感を抱くようになってしまいます。
7.周囲の人に迷惑を掛けてしまっている、自分などいなくなった方が良いのではないかと感じ出してしまいます。
8.こんなに苦しいのなら、いっそ死んでしまった方が楽なのではないか、これ以上他の人に迷惑を掛けたくない、と考え出してしまいます。
……以上の経過の内、2~3程度の状態で治療を始めることが出来れば、軽いうつ(軽症うつ)といった段階での治療開始となるため、早期の回復が望めます。
また、4あるいは5程度であれば、治療と十分な休養を取ることで回復可能でしょう。
但し、6以降になると、心身共にかなり衰弱している状態であるため、場合によっては入院治療も視野に入ってくることがあります。特に、「8」の「自殺念慮(希死念慮)」が出てきたら要注意です。最悪の事態も考慮しながら、慎重に、かつ長期に渡って治療に取り組んでいくことが必要になる可能性が出てきます。
このようにうつ病は、その兆候や症状に早く気が付き、早く治療を開始される程、治りも早くなります。早期発見、早期治療開始が鍵になるのです。そのためにも、早い段階でどのような症状が起き、進行していくのか、今回のコラムを参考に、頭の片隅に留めておいて頂けましたら幸いです。
当院では、うつ病をはじめ、
躁うつ病、不安症、適応障害、心身症
自律神経失調症、睡眠障害(不眠症)、冷え性、
摂食障害(過食症)、月経前症候群、強迫症、
パニック症、ストレス関連障害、統合失調症、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。