A.
医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「強迫性障害(強迫症)の治療」には、医師による心理教育や必要であれば投薬治療、そして心理療法(特に、認知行動療法)の有効性が高い、ということを以前同コラムにも記載させて頂きました。
心理療法においては、よく原因やキッカケを探すことが有効な場合が多く見られますが、強迫性障害(強迫症)の治療の場合は、必ずしもそうとは限りません。本来、強迫観念や強迫行動(強迫儀式)には、合理的な意図や理由がなく、そのことに患者様自身も気づいているからです。
私たちは病気に限らず、嫌な事や辛いことが起こると、「どうしてこんなことになったのだろう?」と、原因があるから結果があるという「因果論」で考えようとしがちです。そして、原因を探して対処(あるいは除去)しようとします。
強迫性障害(強迫症)に苦しまれている時も、例えば「不潔恐怖・洗浄強迫」であったならば、自分の手についている汚れ(原因)が嫌なので、汚れを取り除こうと必死に手を洗います。洗っている時には嫌なことを忘れられたり、洗った直後は気持ちがスッとしたりしますが、すぐに後悔の念に襲われます。再び強迫観念が現れると、再度同じことを繰り返し、そんなことをしている内に、手洗いが生活の中心となる状態に陥っていきます。
これを「因果論」的に考えようとしても、「自分がこんな風になったのは、手に汚れがついているからだ」となってしまい、結局思考の堂々巡りになるに過ぎません。
よって、強迫性障害(強迫症)を治すには、この発想が、「汚れ(原因)から逃げていたから病気になったのだ」に変わり、最終的には「自分を苦しめている症状は、自分で作っていたのだ」と理解できるようになりこと。これが治療の最初の一歩となるのです。
当院では、強迫性障害(強迫症)をはじめ、
パニック障害(パニック症)、不安障害(不安症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
うつ病、躁うつ病、適応障害、自律神経失調症、
摂食障害、睡眠障害(不眠症)、心身症、恐怖症、
月経前症候群、統合失調症、過敏性腸症候群、
社交不安障害、ゲーム障害、ストレス関連障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。