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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
寒い季節になると、お悩みとして挙がってくるものに、冷え性があります。では、この冷え症とは、“体質”なのでしょうか、それとも“病気”なのでしょうか?
実は、西洋医学と東洋医学とでは「冷え」の捉え方が異なっているのです。
体温を測ってみても特別に低いわけではなく、血液や内臓を調べても異常はなく、なのに辛い冷えの症状がある…。このように冷え症とは、ある意味非常に捉えどころが難しいものです。
「成人女性の2人に1人が冷え症で悩んでいる」というデータもあるほど、ポピュラーなものであるにも関らず、実は西洋医学には冷え症についての定義がありません。そもそも、西洋以外においては、冷え症という病名がないのです。
西洋医学では、「冷え」とは末梢の血管が収縮して、皮膚にくる血液が不足している状態と考えます。これが高じて、手足や腰など、身体の特性の部分が冷たく不快に感じられる状態が6か月以上続くと、「冷え性」とされます。西洋医学では、病気とは見なされていないため「冷え症」ではなく「冷え性」とされ、血液の循環(血行)があまり良くない体質、と考えられています。
一方、東洋医学では、「病は身体の冷えた部分から入り込む」と捉えます。冷えは心身の不調を知らせるシグナルであり、冷えが身体に溜まると病的な変化を起こし、「冷え症」になると考えるのです。まさに「冷えは万病のもと」という訳です。
このように、冷えを「病気の入り口」としてみるため、体質だからと諦めて放置することはできません。
東洋医学では、漢方薬による治療(=漢方療法)など、冷え症の治療法が発達してきました。また、身体を温めるための生活上のノウハウも豊富に培われてきました。冷え症は、東洋医学が最も得意とする分野とも言えるのです。
漢方薬はお一人おひとり、その方の体格(「証」)や身体の状態をきちんと診て、最も適したものをお出しします。逆に言えば、漢方薬は「症状だけでは選べないものである」とも言えるのです(=「同病異治」)。なお、冷え症を改善する漢方薬は、当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することが可能です。心療内科において、漢方薬による治療をご希望の患者様は、ぜひこの機会にご相談されてみられては如何でしょうか。
このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、
気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、自律神経失調症、冷え性、睡眠障害(不眠症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、心身症、
摂食障害、パニック障害、月経前症候群、更年期障害、
統合失調症、強迫性障害、過敏性腸症候群など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
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