こころのペリカン便り

Column

【心療内科 Q/A】「双極性障害(躁うつ病)の症状の特徴とは…?」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

双極性障害(躁うつ病)の症状の最大の特徴は、「抑うつ状態」と「躁(そう)状態」の両方が現れることです。「抑うつ状態」の時期だけを見ると、うつ病の症状と非常に近似しています。傾向としては、双極性障害の「抑うつ状態」は、不眠よりも「過眠」、食欲不振よりも「過食」が見られやすいことが言われていますが、勿論このことだけで判断することは出来ません。

 

 

双極性障害(躁うつ病)は、主に2つの型に分類されます。それが双極Ⅰ型障害」・「双極Ⅱ型障害です。

 

 

双極Ⅰ型障害の特徴は、「躁状態」と「うつ状態」がはっきりと分かれていることです。それは周囲の目からも明らかであり、躁状態の時は、多弁で気分が高揚し、自信満々で次々とアイディアが浮かび、眠らないのに疲れない、多額の金額を遣ってしまう…等といった状態が見られ、「うつ状態」の時とはまるで別人のようにさえ映ります。なお、双極Ⅰ型障害の患者様はご自身の「病識」が乏しいのも特徴です。むしろ「こんなに絶好調なのに、何故周囲は病院を勧めるのだろう」と思われる方が殆どです。

 

 

一方、双極Ⅱ型障害の特徴は、殆どの時期が「うつ状態」で占められており、時折「今日はいつもより調子が良いな」と感じられる程度の、比較的軽い「躁状態」(=軽躁)が見られるということです。このように、双極Ⅱ型障害の患者様の中には、ご自身の症状を「うつ病かもしれない」と思われて来院されることが非常に多く、医師との問診を定期的に続けている内に、「実は双極Ⅱ型障害だった」と分かることも珍しいことではないのです。

 

 

双極性障害の特徴は、調子や気分に「波」があることです。ですので、1回だけの診察では、その方がうつ病なのか、それとも双極Ⅱ型障害の「うつ状態(うつ期)」なのか見極めることは困難ですまた、その方の「波」のスパンには個人差がかなりあります。そのことを心の片隅に留めておいて頂けましたら幸いです。

 

 

双極性障害の治療は、投薬治療が中心になります。双極性障害とうつ病では投薬が異なってきますので、ご自身の症状を医師にきちんと伝えることが重要ですそして投薬治療と並行して、患者様のセルフコントロール力を養うための、心理教育がなされる場合が多いと言えます。

 

 

投薬治療により、気分が安定されてくると、ご自分の症状も把握しやすくなり、それがセルフコントロール力を養う上で大切になってきます。ご自分の躁うつの波のサイクルを掴み、躁(軽躁)の時をいかにセーブするかが、徐々に躁うつの波が緩和されていく上でのポイントとなってくるのです。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、双極性障害(躁うつ病)をはじめ、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、

うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。