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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
大人のADHDに併存しやすい(あるは二次障害として生じやすい)疾病として、
まず挙げられていますのが「気分障害(うつ病、躁うつ病等)」、
次に挙げられますのが「不安障害(パニック障害、社交不安障害等)」、
そして第三に挙げられていますのが、
「物質使用障害(アルコール依存、薬物依存等)」であり、
アルコール依存(正式名称:アルコール使用障害)は、
最早、大人のADHDを診ていく上で、
完全に切り離して考えることが難しい疾病の一つとなっています。
実際に、アルコール依存の専門病院に掛かり、
アルコール依存の治療を開始された患者様が、
実は、そのベース(背景要因)として、ADHDの存在があったというケースも、
決して珍しくはありません。
ADHDの方が、アルコール依存を併存してしまいやすい理由は、
当然ながら一言では言えませんが、
ADHDの特性が、社会生活場面(職場や学校)における“不適応”、
とりわけ、人間関係における良好な関係性を築くことが困難であった結果として、
アルコールに徐々に依存されてしまわれたという側面は、
少なからずあるかもしれません。
また、ADHDの方は、時として日常生活場面(家庭生活場面)においても、
思ったように家事が進まないし出来ない、といったことが起こりやすく、
そのことで、ご自分を必要以上に強く責めてしまい、
その自責感や罪悪感を和らげたいという思いがキッカケで、
アルコールが手放せなくなってしまうこともあり得るでしょう。
そしてこれらの出来事に共通している課題は、
アルコールは確かに一時的に落ち込んだ気持ちを和らげたり、
その酩酊感から辛い現実を直視せずに済むという、
刹那的な「快(報酬)」がある一方、
その悩みの根本的な解決をむしろ遠ざけている(先送りしている)に過ぎず、
向き合うタイミングがどんどん逸してしまう結果となる、ということです。
これは、ADHDの方の特徴とされる「先延ばし癖」にも通じることですが、
先延ばしをしても問題は一向に解決しないばかりか、山積一方でしていく一方で、
解決をより困難なものとしてしまいます。
加えて、アルコールは、身体的依存度が非常に高い物質の一つとされており、
過剰なアルコール摂取により、脳機能や身体機能に影響が及び、結果として、
解決したくとも出来ない状態に陥ってしまうことすら起こり得るのです。
どうか、このような状態に至られる前に、
適切な医療機関に繋がって頂きたいと願う次第です。
このコラムを読まれまして、
ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、
関心を持たれました方は、
どうぞ当院まで、お問い合わせください。
当院では、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、
睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、
アルコール依存(アルコール使用障害)等、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。